7~8月は業務用野菜の仕入れにとって、1年で最もリスクが集中する月です。
お盆による市場休業・記録的な酷暑・台風シーズン本番——この3つが同時に重なるのが8月です。2026年は7月中旬以降に真夏の暑さが本格化する予報が出ており、酷暑日・雷雨・台風リスクへの注意が呼びかけられています。例年以上に計画的な仕入れが求められる夏になりそうです。
本記事では2026年8月に向けての品目別価格動向と、お盆前後・お盆明けを含む月全体の仕入れ戦略を実践的にまとめました。7月末の発注計画にそのまま使える内容です。
1. 2026年8月の市況総括——今月の野菜相場の全体傾向
8月の相場は品目によって明暗が分かれます。猛暑・日照過多の影響で上昇する品目と、北海道産の本格出荷で落ち着く品目が混在するため、品目ごとの判断が例年以上に重要です。
8月のキーワードは「レタス・パセリを守り、根菜・夏野菜で攻める」。高値が確実なレタス系は冷凍・代替で補い、価格が落ち着いてきた根菜と旬の夏野菜を主役に据えることが今月の仕入れ戦略の核心です。
2. 品目別の詳細——8月の仕入れ判断を品目ごとに解説
【レタス・パセリ・葉物系】今月最大の注意品目——使用量削減が最優先
夏後半のレタスやパセリはほぼ確実に高値になる見通しです。過去のお盆明け市場では、葉物野菜が「混乱」状態に突入し、近県産は高温でダメージが大きく、品質が安定しているのは長野・岩手など高冷地産に限られるという状況が続いています。今年も同様の展開が予想されます。
レタス・パセリ・サニーレタス・グリーンリーフは8月に高値が確実視される品目です。メニューでの使用量を今月中に意識的に減らす計画を立ててください。
・サラダ用レタスの量を減らし、キャベツ・きゅうりなど安定品目でボリュームを補う
・パセリは乾燥パセリ・冷凍パセリへの切り替えで料理の彩りを維持する
・サニーレタス・グリーンリーフは代替としてサンチュ・水耕栽培レタスを業者に確認
・葉物全般の発注は前日〜2日前のみ。まとめ買いは廃棄ロスを生む
【トマト・きゅうり】上昇傾向——品質確認を徹底する
トマトときゅうりは猛暑・日照の影響で上昇傾向が見込まれます。特にトマトはお盆前後に「色回りが悪い(赤くならない)」問題が発生しやすく、市場全体が対応に追われるパターンが繰り返されています。
・トマトは2〜3日分をまとめ仕入れし、温度調整しながら色回しする管理が必要
・色回りが悪い場合は加熱メニュー(ソース・スープ)に優先使用して廃棄を防ぐ
・きゅうりは価格上昇時にはコストが安定している輸入品・カット品の活用を検討
【なす・ピーマン・オクラ】8月も旬——今月の安定的な主役
なす・ピーマン・オクラは猛暑に比較的強く、8月も旬の最盛期として安定した供給が見込めます。価格が上昇している品目の代替・メインメニューへの格上げとして積極的に活用してください。
・なす:炒め・揚げ・焼き・麻婆など幅広い用途で使いやすい。8月メニューの主役に
・ピーマン:価格コスパが最もよい時期。炒め物・付け合わせに大量活用
・オクラ:副菜・トッピングとして扱いやすく、冷凍保存も可能
【にんじん・じゃがいも・たまねぎ】月後半から落ち着いてくる
春〜夏前半に端境期・高値が続いていた根菜類は、北海道産の本格出荷が始まる8月後半から価格が落ち着いてくる見通しです。特ににんじん・じゃがいもは月後半から平年並みに近づく可能性があります。たまねぎもやや下落傾向が見込まれます。
・8月前半:冷凍品との使い分けを継続。月前半は価格の動きを確認してから発注量を決める
・8月後半:北海道産新物の入荷状況を業者に確認し、発注量を通常に戻し始める
・じゃがいも:新物は皮が薄く傷つきやすい。最初の数回は品質確認を優先
【長ねぎ】下落傾向——今月は久々の改善チャンス
2026年を通じて高値が続いていた長ねぎは、8月は下落傾向の見通しです。春〜夏に万能ねぎや冷凍白ねぎで代替していた店舗は、8月から少しずつ長ねぎへの切り替えを検討しても良いタイミングです。
・8月の価格改善を確認してから発注量を増やす。月初に業者に単価を確認する
・ただし秋以降の価格動向は不透明なため、9月以降も引き続き価格確認を続ける
3. お盆(8月13〜16日)前後の週別発注計画
8月は週ごとに状況が大きく変わります。「いつ・何をどう発注するか」を週単位で計画しておくことが、今月最大の原価管理ツールです。
4. 8月の旬野菜・安定食材カレンダー——今月「積極的に使うべき食材」
高騰品目への不安が強くなる8月ですが、安く・安定して使える食材も多くあります。以下を発注計画の参考にしてください。
5. 「お盆明けも落ち着かない」に備える——9月以降の見通しと今月中にやること
重要なことをあらためてお伝えします。「お盆を乗り越えれば野菜は落ち着く」という従来の感覚は、2026年は通用しない可能性が高いです。
業界内では2026年の秋は高くなるのではないかという見方が広がっており、8月末から10月にかけての仕入れも慎重すぎるくらいでちょうどいい状況と言われています。近年は秋が短くなり、野菜の端境が10月・11月まで続くケースが増えています。
8月末〜10月にかけての価格高止まりリスクに備え、「9月に入ったらまた高くなるかもしれない」という前提で冷凍活用の体制を8月中に整えておいてください。
8月中にやっておくこと(9月以降の準備)
・業者に「9〜10月の主要品目の価格見通し」を月末に確認しておく
・冷凍野菜の補完在庫体制(品目・量・保管スペース)を8月中に固定する
・レタス・パセリ系の代替メニューを秋メニューにも組み込む計画を立てる
・9月からの新メニューに根菜(秋野菜)を積極採用し、夏野菜依存から切り替える準備をする
まとめ:2026年8月の仕入れは「レタス・パセリを守り、根菜・夏野菜・工場野菜で攻める」
これからの夏の仕入れ戦略を3行でまとめます。
・守り:レタス・パセリ・葉物系は使用量を削減し冷凍・代替品で補完。お盆期間は前日発注のみ徹底
・攻め:なす・ピーマン・オクラ・もやし・きのこ・豆苗を8月の主役食材として最大活用。根菜も月後半から積極活用
・備え:お盆明けも高値継続の可能性あり。冷凍在庫体制と代替メニュー計画を8月中に9月以降まで見越して整える
8月はリスクが高い月ですが、準備した店舗と準備しなかった店舗で原価率に大きな差がつく月でもあります。今週の発注から意識的に変えることが、8月の利益を守る最善策です。
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