7月は業務用野菜の仕入れにとって「1年で最もリスクが高い月」のひとつです。
梅雨明けと同時に始まる猛暑・台風シーズンは、葉物野菜の鮮度劣化を加速させ、産地の生育にも直接打撃を与えます。過去には梅雨明け直後に葉物野菜が平年の2〜3倍の価格になった年もありました。一方でキャベツ・レタス・ばれいしょなど価格が落ち着く品目も出てきます。
本記事では2026年7月の品目別価格動向と、猛暑・台風に備えた仕入れ対策を実践的にまとめました。6月の発注計画の参考となれば幸いです。
1. 2026年7月の市況総括——今月の野菜相場の全体傾向
7月の市況を左右する最大の要因は「梅雨明けのタイミング」と「その後の気温・降水量」です。梅雨明けが早い年は夏野菜の供給が安定しやすく、梅雨明けが遅く長雨が続いた年は夏野菜が軒並み不作になるリスクがあります。昨年(令和7年)のデータでは葉物・ばれいしょが平年を下回る一方、ねぎ・にんじんは平年並みの動きでした。2026年は引き続き高値基調が続いているため、注意が必要です。
7月のキーワードは「夏野菜とキャベツで攻め、葉物は守る」。猛暑に強い夏野菜を主役に据えながら、高騰リスクの高い葉物は冷凍代替品を準備した上で少量・高頻度発注を徹底することが今月の正解です。
2. 品目別の詳細——7月の仕入れ判断を品目ごとに解説
【葉物野菜】7月最大のリスク品目——今月中に代替品を準備する
レタス・ほうれん草・小松菜・水菜などの葉物野菜は、猛暑と長雨が重なると産地が一気にダメージを受け、価格が急騰します。梅雨が長引いた年には平年の2〜3倍の価格になったケースもあります。価格だけでなく、届いた野菜の鮮度劣化が猛暑で加速するため、廃棄ロスも同時に増えるという二重のダメージが起きやすい季節です。
7月の葉物は「高い・すぐ傷む・欠品しやすい」の三重苦になる可能性があります。生鮮葉物への依存度を7月中に意識的に下げておくことが今月最大の対策です。
・冷凍ほうれん草・冷凍小松菜を加熱用途に切り替え、生鮮の使用量を削減
・サラダ用レタスは少量・翌日配達で対応し、在庫を持たない運用に徹する
・メニューの副菜を「葉物依存」から「夏野菜・きのこ・豆苗」に計画的に移行する
・冷凍葉物在庫を今月中に2週間分確保し、欠品時の即時対応体制を整える
【キャベツ】7月の「攻め」品目——積極活用を
昨年のデータでは7月のキャベツは平年を下回る価格になる見込みです。猛暑に比較的強い産地のキャベツが安定して出回るため、7月は葉物高騰の代替として積極的に使える品目です。炒め物・お好み焼き・サラダ・スープと用途が広く、夏メニューのかさましにも活用しやすいため発注量を増やすチャンスです。
・春から初夏にかけてのトレンドを引き継ぎ7月も主力品目として活用
・葉物が高騰した際の副菜・付け合わせの代替として真っ先に使う
・外葉を付けたまま保管し、猛暑でも鮮度を保つ保管ルールを徹底する
【トマト・なす・きゅうり・ピーマン・オクラ】7月が旬の最盛期
7月は夏野菜が最もおいしく・安定して供給される時期です。猛暑の中でも夏野菜は比較的安定して出荷されるため、積極的にメニューに組み込むことが原価管理の観点でも有効です。
・トマト:国産露地物が最盛期。価格・品質ともに年間最良のタイミング
・なす:7〜8月が旬の最盛期。炒め・揚げ・煮物に積極活用
・きゅうり:価格安定・供給豊富。サラダ・漬物・冷製料理に幅広く活用
・オクラ:7〜9月が旬。ネバネバ系副菜として夏の差別化メニューに有効
・ピーマン:価格安定。炒め物・肉詰め・付け合わせとして毎日使える定番
夏野菜を主役にしたメニュー構成にすることで、高騰している葉物・根菜類への依存度を自然に下げられます。7月のメニュー見直しは仕入れコスト削減と直結します。
【じゃがいも】7月が「買い時」に変わる
5〜6月に端境期で高値が続いていたじゃがいもは、7月から北海道産の新物が本格的に出回り始め、価格が落ち着いてきます。昨年データでも7月のばれいしょは平年を下回る見込みです。端境期を乗り越えた安堵感から多めに仕入れたくなりますが、猛暑での保管には注意が必要です。
・7月中旬以降から発注量を通常に戻す。前半は様子を見ながら増やす
・保管は直射日光・高温を避けた涼しい場所。冷蔵庫より通風の良い暗所が基本
・北海道産の出始めは品質にムラが出ることも。最初の2〜3回は納品状態を確認してから量を増やす
【長ねぎ・にんじん】引き続き平年並みを維持
長ねぎは2026年を通じて高値傾向が続いていますが、7月は昨年データでは平年並みに落ち着く見通しです。にんじんも産地切り替えが完了し7月後半から安定してくる見込みです。大幅な改善は期待しにくいですが、春〜初夏の高騰期よりは扱いやすくなります。
3. 7月の「台風・猛暑」に備える仕入れ緊急マニュアル
7月以降は台風シーズンが本格化します。台風接近の情報が出てから準備するのでは遅く、平時から「台風が来たときの発注フロー」を決めておくことが重要です。
4. 7月の旬野菜カレンダー——今月使うべき食材一覧
7月の旬野菜は夏全開です。旬の食材はコスト・品質・季節感の三拍子が揃う最高のタイミング。積極的にメニューに取り入れましょう。
まとめ:2026年7月の仕入れは「夏野菜で攻め、葉物を守り、台風に備える
・攻め:トマト・なす・きゅうり・オクラなど夏野菜の旬最盛期を最大活用。キャベツ・じゃがいもも買い時品目として積極活用
・守り:葉物は少量・高頻度発注+冷凍代替品の準備で猛暑高騰リスクをゼロにする
・備え:台風発生前の前倒し発注・業者への緊急フロー確認・お盆前後の発注スケジュール確認を今月中に完了させる。
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