2026年5月GW明け直後にやるべき野菜仕入れの「仕切り直し」——相場と今週・来週の発注判断

GWが明けました。この「GW直後の最初の発注」が、5月の原価率を左右する最重要局面です。

GW中は通常より多く在庫を使い、市場の動きも読みにくい期間でした。明けた今、在庫を一から組み直す必要があります。しかしこのタイミングを「いつも通りに発注する」だけで済ませてしまうと、GW後に起きやすい「価格変動・在庫ミス・欠品」の3つのリスクをそのまま抱えることになります。

本記事では、GW明けの今週・来週に「何を確認し・何を増やし・何を控えるか」を具体的に示します。読んだその日から動ける内容に絞っています。

 

1. GW明けに野菜仕入れで起きやすい3つのトラブル

まずGW直後に毎年繰り返されるトラブルパターンを把握しておきましょう。「知っていた」か「知らなかった」かで、対応速度が大きく変わります。

トラブル①:GW中の過剰発注で廃棄ロスが増える

GW期間中は「繁忙期だから多めに」と発注しがちですが、実際には連休中に臨時休業・客足減少が重なり、在庫が余るケースが頻繁に起きます。特に葉物野菜は鮮度劣化が速く、GW中に余った分がそのままGW明けの廃棄ロスになります。GW明けの最初の発注は「棚卸しで残っている量を確認してから」が絶対原則です。

トラブル②:連休明けの「流通再開直後」は相場が読みにくい

GW中は市場の取引が縮小します。連休明けの最初の市場開場日(GW翌営業日)は、需給が一時的に乱れやすく、価格が平常時と異なる動きをすることがあります。「先週と同じ価格で発注できると思っていたら高かった」「逆に安くなっていたのに気づかず損した」——いずれも連休明け直後に起きやすい失敗です。今週は価格を確認してから発注量を決める、という手順を徹底してください。

トラブル③:「夏に向けた仕入れ体制の切り替え」を先送りにしてしまう

GW明けは「通常業務の再開」で手一杯になり、「梅雨・夏に向けた仕入れ体制の見直し」が後回しになりがちです。しかし6月の梅雨入りまでの約1ヶ月が、夏の仕入れ準備ができる最後のタイミングです。GW明けの今週中に「夏の仕入れ方針を決める」をToDoに入れておいてください。

 

2. GW明け直後の「品目別・今週の発注判断」

2026年5月上旬の市況をもとに、今週の発注で「増やすべき品目・抑えるべき品目・要確認の品目」を整理します。GW明けの最初の発注で参照してください。

 

品目

今週の判断

理由

今週のアクション

キュウリ・ナストマト・ピーマン

◎ 積極的に使う

連休明けから流通量が増えて価格が落ち着いてくる時期。夏野菜の本格シーズン入り

メニューへの組み込みを増やす。先週より発注量を増やしてOK

キャベツ・レタス葉物全般

○ 平常通り・小まめに

基本的に安定しているが高温傾向が続くと値動きする可能性がある

GW中の在庫残量を確認してから今週分を発注。多めに抱えない

アスパラガス

◎ 今が旬・買い時

5月は国産アスパラの出回りが年間最多。甘みが強く品質が最高の時期

積極的に発注・メニューに季節感として打ち出す好機

大根

▲ 発注量を絞る

GW前後に出荷が前倒しとなり品薄。5月中は高値傾向が続く見通し

東北産が出回る5月後半まで使用量を抑えるか代替食材を検討

じゃがいも

▲ 慎重に発注

貯蔵品が底をつきつつある端境期。特定品種は入荷が不安定

担当者に今週の入荷状況を確認してから発注量を決める

にんじん

△ 様子を見る

産地切り替え期で品質ムラが出やすい。新にんじんは水分多くロス率が上がる

加熱調理は冷凍ダイスで代替する選択肢を検討

玉ねぎ

○ 平常通り

出荷増で価格は落ち着き傾向。ただし品質ムラ(芯焼けなど)の確認を忘れずに

到着時に断面確認を徹底する。品質問題があれば業者に即連絡

もやし・きのこ豆苗

◎ 高騰品目の代替に

工場生産のため価格変動なし。大根・じゃがいも高騰期の副菜代替に最適

副菜メニューへの積極活用で高騰品目の使用量を補う

3. 今週・来週でやるべき「5つのアクション」

GW明けの最初の1〜2週間でやるべきことを優先順位順に示します。この5つをやり切れた店舗は、5〜6月の相場変動に振り回されなくなります。

① 在庫の棚卸しをしてから発注する

GW中の消費量と残在庫を確認してから、今週の発注量を決めます。「GW前と同じ量を発注する」は禁物です。特に葉物・果菜類は連休中の消費パターンが通常週と異なります。棚卸し5分→発注量決定、という手順が最初に必要となります。

 

② 大根・じゃがいもの代替品を業者に相談する

大根(高値継続)とじゃがいも(端境期)は今月の2大注意品目です。「とりあえず例年通り発注」ではなく、業者担当者の方と「今の入荷状況と代替品」を確認してください。代替候補:大根→かぶ・白菜の芯部分、じゃがいも→冷凍カットポテト・さといも

 

③ 夏野菜(トマト・なす・きゅうり)をメニューに組み込む準備をする

連休明けから夏野菜の流通量が増え、価格が安定してきます。今週中に「夏野菜を使ったメニュー候補」を料理長と話し合い、来週から切り替えられる準備をしておきましょう。夏野菜を積極的に使うことで、高騰している根菜類の使用量を自然に減らせます。

 

④ 仕入れ業者に「梅雨・夏の配送温度管理」を確認する

6月の梅雨入りまで約1ヶ月。今が配送温度管理の確認をできる最後の余裕あるタイミングです。「夏期の保冷配送への切り替えはいつからなのか?」「葉物の配送温度は何度なのか?」を確認してください。夏になってから確認すると、対応が間に合わないことがあります。

 

⑤ 冷凍野菜の補完在庫を確保し始める

梅雨・夏の鮮度トラブル・欠品リスクに備えて、ブロッコリー・ほうれん草・枝豆など加熱前提の品目について、冷凍の補完在庫を来週中に確保し始めましょう。少量(1〜2週間分)でも確保しておくことで、急な欠品時に厨房を止めなくて済みます。

 

4. GW明けが「仕入れ先を見直す」ベストタイミングである理由

「今の仕入れ先に不満はないが、少し気になることがある」という担当者の方に、あえてお伝えします。GW明けは仕入れ先を見直す絶好のタイミングです。

理由は3つあります。

夏の繁忙期(7〜9月)前の余裕があるタイミング:新規業者との取引開始には2〜4週間かかります。今動き始めれば夏の繁忙期前に間に合います。

GWの対応で業者の「本当の力」が見えたタイミング:連休中の対応・欠品時の連絡・GW明けの配送精度——これらで業者の信頼性が明確になっています。

相見積もりを取りやすい時期:5月は業者側も新規取引先の獲得に積極的な時期です。「比較検討中」と伝えるだけで丁寧な対応が返ってきやすくなります。

5. 今月残りの「仕入れスケジュール感」を持っておく

 

時期

仕入れで起きること

やるべきこと

5月第2週(今週〜来週)

GW明けの相場が落ち着き始める。夏野菜の流通量が増加

棚卸し・代替品確認・夏野菜切り替え準備

5月第3週

大根が東北産に切り替わり価格が落ち着き始める見通し

大根の発注量を徐々に戻す。旬野菜の積極活用

5月第4週

新たまねぎが安定。気温上昇で葉物の鮮度管理が本格化

葉物の発注頻度を週3〜4回に切り替えるタイミング

6月第1週(梅雨入り前後)

梅雨入りで鮮度劣化が一気に加速するシーズン突入

温度管理確認完了・冷凍補完在庫確保済みの状態を目標

最後に、5月後半〜6月初旬にかけてGW明けの仕入れ担当者がやるべきことをもう一度整理します。

① 今日中:在庫棚卸しをしてから今週の発注量を決める

② 今週中:大根・じゃがいもの代替品を業者に相談する

③ 今週中:夏野菜をメニューに組み込む準備を料理長と話す

④ 今週〜来週:業者に梅雨・夏の温度管理体制を確認する

⑤ 来週中:冷凍野菜の補完在庫を少量確保し始める

この5つをGW明け最初の2週間でやり切るだけで、5〜8月の仕入れが「対応する」から「準備通りに動く」に変わります。

 

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