2025年10月きのこの仕入れ完全ガイド:業務用野菜卸で選ぶべき種類・価格・栄養と保存術

10月から11月にかけては、秋の味覚の代表であるきのこが最盛期を迎えます。しいたけ、しめじ、えのき、エリンギ、まいたけ、マッシュルームといった定番に加え、地域限定の特産きのこも豊富に流通する時期です。

きのこは価格が比較的安定し、栄養価(ビタミンD・食物繊維・うま味成分)も高く、飲食店にとって「季節感を演出しながら原価を抑えられる」理想的な食材です。本記事では、2025年10月〜11月に狙うべききのこの種類・産地別の価格傾向・仕入れ失敗例と対策・保存方法・天候リスクと戦略までを徹底解説します。

 

1. 2025年10月のきのこ市場動向

●価格と供給

・しいたけ・しめじ・えのき:通年で安定供給されるが、10月は特に出荷量が増えるため価格が落ち着きやすい。

・エリンギ・まいたけ:秋が最盛期で、スーパーでも大量に並ぶ。大ロット仕入れが可能で業務用に最適。

・マッシュルーム:国内生産は限られるが、輸入や缶詰といった加工品の選択肢もあり安定して調達可能。ただし現在においては為替レートの影響を受けやすい。

 

●秋のトレンドの影響

健康志向の高まりにより「ビタミンD」「免疫力強化」「低カロリー高栄養」といった訴求が飲食店でも有効。秋の鍋需要・ハロウィンや秋フェア需要できのこ需要が一気に高まる季節。

 

2. 業務用野菜卸を活用するメリット

●卸活用のメリット
・価格交渉が可能:大ロット発注や規格外品を混ぜて仕入れることで単価を抑えられる。

・安定供給:スーパーよりも安定して在庫を確保できる。特に宴会・イベント需要の多い秋は重要。

・情報提供:来週の価格見通しや産地切り替えを事前に知ることで仕入れ戦略を立てやすい。

・規格選択:大きめ・小さめなどのサイズ指定ができ、メニュー用途に応じて最適化可能。

 

●仕入れ担当者が陥りやすい失敗例と対策

失敗例①:宴会需要期に単一産地のみ契約 → 秋は台風で供給不足になることがある。

対策:複数産地との契約+野菜卸のネットワーク活用。

 

失敗例②:規格外品を活用せず廃棄コスト増。

対策:加工用メニューに活用すると、原価率を改善できる。

 

失敗例③:冷蔵保存の誤りで変色・廃棄。

対策:紙袋保存+冷凍ストックを活用。

 

失敗例④:高級原木しいたけを大量仕入れ → 客単価に合わず赤字。

対策:高級ラインは限定提供、通常ラインは菌床栽培を活用。

 

3. きのこ産地別の価格傾向と土地の特徴

きのこは施設栽培が中心ですが、地域ごとに得意分野があります。

 

●東北地方(岩手・山形など)

・特徴:冷涼な気候と豊富な森林資源。

・主要品目:しいたけ・まいたけ。

・理由:夏は涼しく冬は寒冷、温度管理がしやすい。木材資源が多く原木栽培にも適している。

・価格傾向:香りや肉厚感が強い原木しいたけは高級志向レストラン向け。菌床は安定価格。

 

●九州地方(大分・熊本など)

・特徴:温暖で年間を通して栽培可能。

・主要品目:えのき・しめじ・エリンギ。

・理由:施設園芸に適した気候で、周年安定供給できる。物流拠点が近畿・関西市場に直結。

・価格傾向:大ロット供給で価格安定。加工食品業者も多く需要強い。

 

●輸入(中国・オランダ)

・中国:えのき・しいたけを大量供給。国内より低価格だが輸送リスクあり。

・オランダ:マッシュルームの大産地。ヨーロッパ向けの品種改良で品質が高い。

・価格傾向:為替と物流費が価格変動の最大要因。国産より安い時期もあるが、鮮度リスクを伴う。

4. きのこの栄養を深掘り:ビタミンDと食物繊維(βグルカン)の力

●ビタミンDとカルシウム吸収

きのこは、植物性食品の中でも珍しくビタミンDを豊富に含む食材です。ビタミンDは、単に栄養素として存在するだけでなく、カルシウムの吸収を助ける働きを持っています。

人間の体内でカルシウムを効率よく吸収・利用するには、ビタミンDが必要不可欠です。ビタミンDが不足すると、せっかくカルシウムを摂取しても腸から吸収されにくくなり、骨の健康や筋肉の働きに悪影響を及ぼします。特に日本では日照不足になりがちな秋冬に、きのこを食べることで不足分を補える点が注目されています。

飲食店にとっては、「秋のきのこメニューは骨の健康サポートに効果的」という訴求ができ、健康志向の中高年層やファミリー層に刺さりやすいメリットがあります。

 

●食物繊維とβグルカンの免疫作用

きのこは低カロリーながら食物繊維が豊富で、その中でも特に注目されているのがβグルカンです。

βグルカンは、水溶性食物繊維の一種で、免疫細胞(マクロファージやNK細胞)を活性化させる働きがあると報告されています。これにより、体の自然な防御力を高め、風邪や感染症への抵抗力をサポートすると考えられています。

また、βグルカンは血糖値の上昇を抑える作用や、腸内環境の改善にも寄与します。秋から冬にかけて増える「体調管理」や「健康意識の高まり」と非常に相性がよく、飲食店が免疫力アップや腸活を意識したメニューを提供する際に大きな武器となります。

 

5. きのこ別の仕入れポイント

・しいたけ:香りが強く煮物・焼き物に最適。原木は高級、菌床は安定。

・しめじ:歩留まりがよく炒め物や鍋に万能。カサが小さいものが鮮度良。

・えのき:ボリューム出しに最適。根元が白いものを選び、大量仕入れで単価減。

・エリンギ:食感が肉代替に使える。太めは食感、細長めはカット用途に。

・まいたけ:香りと旨味が強く、天ぷら・炒め物向け。抗酸化作用の健康訴求も可能。

・マッシュルーム:洋食定番。輸入依存度が高く価格変動あり。鮮度保持が課題。

 

●保存方法のポイント

紙袋保存:湿気を逃して変色防止。

冷凍保存:グアニル酸増加で旨味UP。仕込み用に最適。

冷凍MIX活用:複数種類を組み合わせ、ロス削減+即調理対応。

 

6. 2025年10月〜11月の天候リスクと仕入れ戦略

●リスク要因

台風:物流停滞と収穫遅延。九州産出荷に影響。

長雨:菌床栽培には湿度リスク。品質劣化や出荷調整。

寒暖差:東北の露地原木しいたけの品質に影響。

 

●戦略

主要きのこは九州+東北の二本柱で契約。

ロジ遅延に備え、冷凍ストックを仕込み。

高級ラインは価格変動に左右されやすいため、宴会需要に応じて限定導入。

輸入依存のマッシュルームは、為替と輸入便の動向を週次でチェック。

 

●業種別のアイデア一例

居酒屋:きのこ串・鍋盛り合わせ。

カフェ:スープ・キッシュ・グレインボウル。

和食:土瓶蒸し・炊き込みご飯・天ぷら。

洋食:クリームパスタ・ピザ・ソテー。

ホテル・宴会場:バフェ用炒め物、グラタン、シチューに規格外を活用

 

以上のようにきのこは旬を彩ることも可能ながら保存性や活用範囲も広い食材です。特に今の時期10月から11月は、きのこが価格安定・栄養価・メニュー映えの三拍子を揃えた最強の業務用食材と言えるでしょう。産地特性を理解して複数ルートを確保する、失敗例を知って対策を講じる、天候リスクに備えた冷凍・卸ネットワークを駆使する、これらを徹底すれば、飲食店仕入れ担当者は秋のメニュー戦略を成功に導けますので取り組んでいきましょう。

 

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