昨年かなり話題になりましたので、「ベジメーター」や「ベジチェック」という言葉を耳にした方も多いのではないでしょうか?
これは、指先や手のひらに光を当てるだけで体内のカロテノイド量を測定できる機器で、「野菜不足」を数値で“見える化”する革新的なツールです。
特に近年、消費者の健康意識が高まり、飲食店に対しても「ヘルシーで栄養バランスの取れたメニュー」が求められています。こうした背景の中で、ベジメーターの導入が、飲食店の価値向上や野菜卸との連携強化に貢献するとして注目を集めています。
この記事では、飲食業界や野菜卸がベジメーターをどのように活用できるか、仕組みや導入事例とともに詳しくご紹介します。
ベジメーターとは?指先で野菜摂取量がわかる非接触測定器
ベジメーターは、アメリカのLongevity Link社が開発した測定機器で、指先に光を照射し、皮膚内のカロテノイド濃度を測定します。
カロテノイドは主に緑黄色野菜に多く含まれており、体内でビタミンAに変換されたり、抗酸化作用を持つ重要な栄養素です。この濃度を測ることで、過去2週間〜1ヶ月の野菜摂取状況がスコアで可視化されるのが大きな特長です。
【飲食店や卸が注目すべき理由】
・野菜摂取量に対する具体的な指標として活用可能
・イベントや店舗プロモーションでの話題作り・差別化ツールに最適
・健康メニュー開発の裏付けデータとして活用可能
ベジメーターとベジチェックの違いは?
項目 | ベジメータ― | ベジチェック |
開発元 | Longevity Link(米国) | 日立製作所(日本) |
測定部位 | 指先 | 手のひら |
対象国 | 主に医療・研究用(グローバル) | 日本国内の自治体・企業中心 |
表示形式 | スコア数値(0〜800) | 点数+コメント表示(視覚的) |
利用場面 | 健康診断・研究機関・飲食業イベント | 地方自治体・商業施設 |
飲食店や青果のプロモーションイベントに導入するなら、より直感的で数値表示のあるベジメーターが現状は扱いやすく支持を得ています。
飲食店や野菜卸における具体的な活用例
1.健康訴求メニューの裏付けに
ベジメーターでのスコア改善が確認されれば、「このメニューを2週間食べたらスコアが上がった」など、エビデンス付きのPRが可能です。
2.健康フェアや販促イベントでの集客ツールに
自治体・スーパー・病院などでも使われるベジメーターは、非接触・短時間で測定可能なため、イベントブースでの体験コンテンツとしても優秀。
野菜卸の立場で販促提案の一部に組み込むことで、飲食店・流通先への付加価値提案にもなります。
3.「野菜を摂る理由」の可視化
野菜の重要性は多くの人が理解していても、“実感”がないとなかなか摂取行動は変わりません。
ベジメーターを使えば、「あなたの野菜摂取は足りていません」という現実を“数字で示せる”ため、食生活の改善を促す強力なきっかけになります。
ベジメーターはどこで使える?設置事例から見る広がり
■ 導入実績(一部)
企業:トヨタ、キユーピー、大塚製薬などの福利厚生イベント
自治体:三重県、神奈川県などの健康施策・啓発活動
商業施設:イオン、ららぽーとでの健康測定会
医療機関:地域病院・健診センターでの生活習慣病予防
今後は、地域野菜のブランド化や産地イベントなどにも活用が進むと予想されます。
■ 概要
販売価格:おおよそ90万〜120万円(モデル・オプションによる)
購入ルート:日本国内代理店(機器+サポート)
レンタル・イベント用貸出もあり
野菜卸業者が主導し、飲食店や小売店と合同で導入・イベント開催すると、費用対効果の面でも現実的です。
ベジメーターは医療機器ではなく「健康促進機器」として扱われるため、比較的自由に導入できますが、現状では法人利用を前提とした高額機器です。
飲食店・野菜卸が導入する際の3つのポイント
① 信頼性の確保:数値に説得力を持たせる仕掛けづくり
ベジメーターのスコアは“面白い”だけでなく、“信頼できる”とお客様に思ってもらうことが重要です。そのためには、数値の裏付けとなる体験・証拠・プロの視点が不可欠です。
● 栄養士や管理栄養士との連携
提供メニューに「栄養士監修」「1日分のβカロテンが摂れる」などの表示を加えることで、安心感と信頼感を演出することができます。飲食店にとっては、レシピ開発段階から専門家の助言を取り入れることで、メニューに“栄養ストーリー”が生まれる。
● 数値改善のモデル提示
ベジメーター導入前と後でスコアがどれほど改善したか、スタッフやリピーター顧客の実例を掲載
例:「ベジメニューを1週間食べ続けたらスコアが80→160に上昇!」
● 地元産野菜の活用で地域密着アピール
「○○町のモロヘイヤ使用」「△△農園直送のトマトを使用」といった表示で、地産地消+健康への貢献を可視化
生産者とベジメーター測定を一緒に行い、産地と栄養の関係を伝えるプロモーションに発展させることも可能
② ブランディング、マーケティングの一環
ベジメーターは測定ツールであると同時に、マーケティング戦略の一部にもなります。
例:「ベジメニュー注文数」「SNS投稿数」「スコア改善率」など具体的な数値目標を設定して、効果測定を行う
卸業者との連携時は「メニュー別のスコア変化→おすすめ野菜ランキング」などのデータ化することが上記でも紹介した通り生産者の方とのブランディング、マーケティングにもつながります。
③ 外部連携:自治体・大学・医療機関とつながることで広がる“信頼と拡散”
ベジメータ―が機関によってレンタルとして設置されていることが多い事も利用して、外部連携によって販促を高めることができます。企業や自治体、医療機関との連携ができれば大きく信頼性のあるブランディングが築けるのではないでしょうか。
7月に旬を迎える“野菜の力”をベジメーターで実感
7月は夏野菜が本格的に出回る季節で、野菜摂取スコアを高めたい時期としても最適です。特にカロテノイド(βカロテンやリコピン)を多く含む野菜を意識して摂ることで、ベジメーターのスコアが上がる可能性が高まります。
野菜 | 栄養価の特徴 | ベジメータ―との関係 |
トマト | リコピン(抗酸化作用)、ビタミンC、カリウム | 赤色色素が強く、スコア改善に寄与 |
モロヘイヤ | βカロテン、カルシウム、食物繊維 | カロテノイド含有量が非常に高い |
ピーマン | βカロテン(特に赤ピーマン)、ビタミンC | 緑黄色野菜としてスコアに影響大 |
にんじん | βカロテンの王様的存在 | 継続摂取でスコア上昇が見込める |
ゴーヤ | ビタミンC、食物繊維 | 抗酸化と整腸に寄与し体調改善に |
これらの野菜を積極的にメニューに取り入れれば、健康メニューとしての訴求力だけでなく、ベジメーター測定結果の改善も期待できます。
ベジメーター × 野菜卸:新しい提案のかたち
ベジメーターを単なる“測定ツール”としてではなく、野菜卸と飲食店の連携ツールとして活用する動きが始まっています。
●「カロテノイド高含有野菜」セット提案
モロヘイヤ、トマト、にんじんなど、ベジメーターの数値が上がりやすい野菜をセット
● 飲食店とのベジメーター測定イベント共催
卸業者が野菜提供、飲食店がメニュー開発、ベジメーターで成果可視化
● 地場野菜ブランド化 × ベジメーター
スコア改善が数値で出れば、「健康効果のある地場野菜」として高付加価値での提案が可能
飲食店や野菜卸がベジメーターを導入・活用することで、**「野菜の価値を伝える」「体感型の販促ができる」「栄養改善の効果を可視化できる」**という3つの強みが生まれます。
今後は、健康経営、地域連携、地産地消の促進といった社会的課題の解決にもつながるでしょう。
販促に体験やエビデンスを求められる時代において、ベジメーターやベジチェックを利用できる機会があれば新たな武器となるのではないでしょうか。ぜひ皆様の周りでの利用機会について調べてみてください。
弊社アジアインタートレードのご紹介
アジアインタートレードでは、全国100以上の野菜卸業者から最適な価格で新鮮な国産野菜を仕入れることができます。全国の卸売市場に対応し、最適な価格での仕入れと配送が可能です。
野菜の仕入れに関して、お気軽にアジアインタートレードまでお問い合わせください。
電話:03-6454-4363
メール:kiyoshi.takagi@apconsulting.jp
担当:高木まで