直近ではさらに、野菜の価格高騰のニュースが増えてきていますが、秋冬に向けて飲食店の仕入れ担当者にとって野菜の価格動向を把握することは、重要な業務の一部です。農林水産省による最新の報告では、東京都中央卸売市場への野菜の出荷状況と価格見通しについての情報が発表されています。これに基づき、主要な野菜の生育・価格見通しと、それを考慮した仕入れ戦略について解説します。
野菜市場全体の価格動向と背景
2024年10月時点で、農林水産省から発表されている野菜価格見通しを見ると、季節的な影響や天候不順により、ほうれんそう、レタス、きゅうり、なす、トマト、ピーマン、ブロッコリーの価格が平年を上回る見込みです。特に、10月前半では、これらの野菜の価格が上昇する可能性が高く、仕入れ担当者としては、仕入れコストの上昇に備える必要があります。
一方で、さといもは平年を下回る価格で推移すると予測されており、お買い得な品目として考えられます。さといもを多用した料理をメニューに取り入れることで、コスト削減の機会を得られる見通しとなっております。
特に、本年の価格上昇の背景としては、2024年の夏は高温が続き、多くの野菜の生育に影響を及ぼしました。特に、8月の猛暑の影響で歩留まりが低下した野菜も多く見られます。しかし、9月以降の気温低下により、生育が回復傾向にある品目もあります。生育の回復が見込まれる場合、後半になるほど安定供給が期待できるため、仕入れ時期の見極めが重要です。
また、各主産地の出荷量の動向も、仕入れ計画に影響を与える要因です。例えば、長野県産のはくさいやレタスは、10月後半に向けて平年並みに戻る見込みであるため、仕入れ担当者は、早めの仕入れを避け、状況が安定してからの購入を検討すると良いでしょう。
各野菜の詳細な価格見通し
それでは、前段でご紹介した主要野菜の生育状況と10月の価格見通しを品目別に解説します。
●だいこん、にんじん、キャベツ、ねぎ、ばれいしょ、たまねぎ:
これらの野菜は平年並みで推移すると予測されています。したがって、大幅な価格変動は見込まれず、例年通りの仕入れ計画を立てることができるでしょう。特に、定番の料理に使用する場合、安定供給が見込まれる点は安心材料です。
●ほうれんそう、レタス、なす、トマト、ピーマン、ブロッコリー:
10月前半に価格が上昇する見通しです。例えば、ほうれんそうやレタスは秋冬のサラダメニューで需要が高まるため、仕入れ価格の影響が大きく出やすい野菜です。価格上昇が懸念される時期には、冷凍野菜などの代替品を活用することや、使用量を抑えたメニュー構成を検討すると良いでしょう。冷凍野菜について業務用野菜卸を活用することが有益です。生野菜だけでなく様々な仕入れ手段の情報を得ることができます。
●きゅうり:
きゅうりは10月を通じて平年を上回る価格で推移すると予想されています。価格上昇が続くため、調理や盛り付けにおいて他の野菜と代替できるかを検討することが求められます。特に、冷菜や前菜においては、他の季節の野菜で代替するアイディアも考えてみてください。
●さといも:
さといもは10月を通じて平年を下回る価格で推移する見込みです。これを活かして、煮物や炊き込みご飯など、さといもを主役としたメニューを展開することで、仕入れコストを抑えながら季節感を演出できます。
野菜価格動向の確認の方法
農林水産省の野菜の生育状況及び価格見通し。この見通しは、直近の生育状況及び今後の生育と出荷の見通しから予測される、今後の価格見通しを公表することで、産地の出荷判断と消費者の購買行動の最適化を促し、野菜の供給及び価格の安定を図ることを目的としています。
●野菜が安くなりそうな場合
安値水準で推移することが見込まれる品目については、産地は出荷数量の調整に努めるとともに、消費者は積極的な購入を行う等により消費の拡大に繋がることが望まれます。
●野菜が高くなりそうな場合
高値水準で推移することが見込まれる品目については、産地は出荷数量の調整に努めるとともに、消費者においては一時的に安値品目の購入に切り替える等の行動に繋がることが望まれます。野菜産地では、日頃から安定的な生産と供給に努めていますが、天候等の影響により出荷数量や価格が不安定になることがありますので、最適な出荷判断と購買行動へ見通しを確認してつなげています。このような農林水産省の毎月の見通しを確認することで、今後の価格の傾向をつかむことができます。
野菜価格が高騰時の対策手段
飲食店の仕入れ担当者にとって、価格上昇期における仕入れコストの対策は不可欠です。次のような工夫をすることで、価格上昇の影響を最小限に抑えることができます。
●代替食材の活用: 価格が上昇する野菜については、他の季節の野菜や冷凍品を代替として活用することで、コストを抑えられます。例えば、ほうれんそうが高騰する場合、冷凍ほうれんそうを使用するか、代替として小松菜やチンゲンサイを活用するなどの工夫が可能です。
●仕入れの時期分散: 出荷数量が増える時期を見計らって、仕入れのタイミングを分散させることも有効です。10月後半に平年並みで推移する見通しの品目については、価格が落ち着いてくるタイミングでまとめて仕入れることで、コストを抑えることができます。
●地元産品の積極的な利用: 地元産の野菜は、輸送コストが抑えられ、比較的価格が安定していることが多いです。地元の農家や市場から直接仕入れることで、新鮮で価格の安定した野菜を手に入れることができるでしょう。
また、これら全てにおいてバランスよく対応できるのが「業務用野菜卸」の活用となりますので最後にご紹介したいと思います。
業務用野菜卸の活用とは?
業務用野菜卸とは、レストランや飲食店、食品工場などに大量の野菜を供給する卸売業者のことです。この業者の最大のメリットは、品質の良い野菜を手頃な価格で安定的に供給できることです。卸売業者は農家から直接野菜を大量に仕入れ、小口配送や加工などのサービスも提供しているため、飲食店側は手間をかけずに使いやすい状態で受け取ることができます。また、卸業者は農家との取引条件交渉においても有利な立場にあり、価格の安定性が確保されやすいです。
飲食店が業務用野菜卸を活用することで、仕入れ先探しや価格交渉の手間が省けるため、経営者は本業に専念できる利点もあります。例えば、冬キャベツの調達方法には、地元農家と直接取引したり、食材市場で購入したりする選択肢がありますが、業務用野菜卸を利用することで、コストと労力のバランスが最適化されます。業務用野菜卸は、信頼できるパートナーとして、外食産業において効果的に差別化を図る手助けをしてくれる存在です。
飲食店にとって安定供給と適正価格での調達は生命線とも言えます。弊社アジアインタートレードでは、全国100以上の中央卸売市場から最安値を比較して、最寄から仕入れることができるお手伝いをしております。野菜の価格高騰のような厳しい環境でも、お役に立てる情報があるかと思いますので、ぜひご覧いただければ幸いです。
電話:03-6454-4363
メール:kiyoshi.takagi@apconsulting.jp
担当:高木まで
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