2024年6月なすの旬が来たら食べるべき品種、産地とは?

夏野菜の主役の1つであるなすが旬を迎えつつあります。カレー、ラタトゥイユ、天ぷら、麻婆茄子など和洋中どれにも頻出の野菜ですので飲食店の皆様も活用の機会が多いことでしょう。また、6月からも再度物価や光熱費の上昇が控えているため、旬の野菜を使うことで材料費を少しでも抑えていきたいということもあります。今回はなすの旬と品種をそれぞれご紹介していますので仕入れのご参考にしていただければと思います。

 

なすの旬・産地について

なすは日本全国で栽培されており、その出荷時期や産地を調整することで年間を通じて新鮮ななすが供給される仕組み、「産地リレー」が活用されています。これにより、消費者はいつでも美味しいなすを楽しむことができ、飲食店も安定した供給を受けることができます。

●冬春なす(12月~5月)

・主な産地:九州、四国地方

・九州地方:特に熊本県や宮崎県

・四国地方:特に高知県

・特徴:温暖な気候を利用したハウス栽培が主流。寒い時期でも安定した供給が可能です。冬春なすは皮が薄く、身が柔らかいのが特徴で、煮物や炒め物に適しています。

 

●夏秋なす(6月~11月)

・主な産地:関東、東北地方

・関東地方:特に千葉県、茨城県、群馬県

・東北地方:特に福島県、山形県

・特徴:気温の高い時期に露地栽培されることが多い。夏の終わりから秋にかけては昼夜の温度差が大きくなり、茄子の実が締まり美味しさが増します。グリルや焼き物、天ぷらなどに適しています。

現在、なすは一年中生産・出荷されていますが、以上の二つの季節に分けられます。「冬春なす」と「夏秋なす」です。これを「産地リレー」と呼ばれる仕組みで効率的に流通させています。

冬春なすは主に九州や四国地方でハウス栽培されています。この地域は暖かい気候のおかげで、一年中なすを栽培できますが、特に冬から春にかけては関東地方に多く出荷されます。夏の間は関東への出荷は少なくなりますが、10月頃から再び「夏秋なす」として出荷が始まり、冬から春にかけてのピーク時には「冬春なす」が再び市場に出回ります。

一方、夏秋なすは主に関東や東北地方で栽培されています。夏の終わり頃、昼夜の温度差が大きくなると、なすの実が締まり美味しさが増すとされています。また、枝を剪定することで「秋なす」の生産・出荷に特化している地域もあります。

このように、日本の四季や地域ごとの気候を活かして、「産地リレー」の仕組みが活用されているため、年間を通じて美味しいなすが市場に供給されるのです。

 

代表的なすの品種と産地について

●千両なす

・産地:全国各地(特に千葉県、群馬県、茨城県、福岡県)

・特徴:千両ナスは、一般的な日本のなすで最も広く栽培されている品種です。果皮が濃い紫色で光沢があり、果実の形は円筒形から卵形です。中長茄子の代表品種。皮が薄くて柔らかく、風味が豊かでどんな料理にも使いやすいのが特徴です。

・用途:果肉はしっかりしていて、種が少ないため、焼きナス、炒め物、煮物、揚げ物などさまざまな料理に使われます。特に、天ぷらや味噌炒めにすると美味しいです。

 

●賀茂なす

・産地:京都府(特に京都市北部の賀茂地域)

・特徴:京都の伝統的な品種で、大きくて丸い形が特徴です。果皮は厚めで、濃い紫色をしています。果肉は緻密で、甘みがあります。丸なすの一種で、肉厚で甘みが強い。焼きなすや煮物に最適。

・用途:焼きなすや煮物に適しており、その大きさから厚切りにしても形が崩れにくいです。また、賀茂ナスの田楽は京都料理の定番です。

 

●長なす

・産地:関西地方(大阪府、兵庫県、奈良県)や九州地方(熊本県)

・特徴:細長い形状が特徴で、果皮は薄めで濃い紫色です。果肉は柔らかく、みずみずしいです。柔らかく煮崩れしにくいのが炒め物や揚げ物に適している。

・用途:焼きナスや浅漬けに適しています。特に関西地方ではこの品種が好まれ、漬物や酢の物としてもよく使われます。

 

●水なす

・産地:大阪府南部(特に貝塚市や岸和田市)

・特徴:大阪の泉州地域で栽培される品種で、果皮が薄く柔らかく、水分が非常に多いです。丸い形で、淡い紫色をしています。水分が多く、みずみずしい食感。浅漬けや生で食べるのに最適。

・用途:生のまま食べることができ、「水ナスのぬか漬け」が有名です。この漬物は非常にみずみずしく、さっぱりとした味わいが特徴です。

 

●白なす

・産地:千葉県、茨城県、栃木県、九州地方

・特徴:果皮が白い珍しい品種です。形は千両ナスに似ていて、果肉はしっかりしており、煮崩れしにくいです。肉質が緻密でクセが少ない。焼き物や煮物に向いている。

・用途:イタリア料理にも使われ、グリルやローストにすると美味しいです。白い果皮が料理に彩りを添えます。

 

●大長なす

・産地:新潟県、福井県、秋田県

・特徴:非常に長い形が特徴で、30センチ以上になることもあります。果皮は濃い紫色で、果肉は柔らかく、甘みがあります。焼き茄子にすると独特の風味が楽しめる。

・用途:焼きなすや炒め物に適しています。その長さを活かして、スライスしてグリルにしたり、炒め物に使ったりします。

 

各品種の特徴を活かして、それぞれの料理に最適な方法で調理することで、茄子の美味しさを最大限に引き出すことができますし、旬の際に産地にアプローチすることで有利な価格で仕入れることができるかと思います。

 

なすの生産地ランキング

最も多いのは1位高知県産でシェア全体の約44%を占めています。2位群馬県産(約20%)、栃木県産(約15%)となっています。この3県で市場の80%近くを占めていますね。また、先ほど産地リレーとしてご紹介しましたように高知県では年間通して生産していますが、群馬県、栃木県での生産されたなすが流通しにくい10月以降の夏秋なすとして出荷することで高知県はその他のエリアよりもシェア拡大に成功しているのが理由の1つです。

 

多くの産地で生産されているのは「長なす」で、旬の時期は先述の通り初夏から秋にかけてです。その他にも、丸い形が特徴で、京都の賀茂なすに代表される「丸なす」や、ヘタが緑色でずっしりと実が詰まった「米なす」の旬も夏です。なすにも色んな種類がありますが夏が旬となっているなすが多いためこれから安く、美味しく旬で調達することができるタイミングとなります。

 

今回は旬が近づいているなすをご紹介しました。なすの産地リレーを活用するためには常に野菜の需要と供給を管理している卸売市場が優れています。弊社「アジアインタートレード」では、この産地リレーの仕組みを活用するために、全国100以上の野菜卸から一度に仕入れ価格を比較して新鮮な国産野菜を配送することができます。全国の卸売市場を対象としていますので、お近くの市場からお目当ての野菜を最適価格で仕入れ、配送を受けることを可能にしました。今回ご紹介しました旬の夏野菜としてなすを調達したいというお声に答えるためにお役に立てるかと思いますのでぜひ一度ご覧いただければ幸いです。

 

野菜の仕入れに関してのお問い合わせは、アジアインタートレードまでお願いいたします。

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