様々な物価高や円安が続きますが、それでも食の安全を確保するために生産地を確認されている飲食店様や消費者の方は多いのではないでしょうか。その中でショウガは価格が高騰していき国産消費するのも厳しくなってきているのはご存知でしょうか。そもそもショウガはどこの地域で国内生産されているのかもあまり知られていないかと思います。今回は、そんなショウガの知識についてご紹介しています。
本年の大きなショウガのニュースをご紹介
2024年に入ってから、ショウガの価格上昇により、回転寿司チェーン店などがダイコンを使用した代替品を提供するなどの動きが見られます。中国産のショウガ需要が高まったことで価格が上昇し、その影響を受けた国内業者もいます。ただし、中国産のショウガの収穫が順調で価格が落ち着いてきたことや、国内での代替需要が限定的であることから、今後は価格が収束するとの見方もあります。国内業者にとっては、国産と輸入原料の価格差や供給の安定性を考慮して、国産に切り替えることが難しい状況としています。
具体的には輸入ショウガの価格は23年、月を追うごとに上昇。1月の時点で1キロ190円と前年同月比44%高だったが、ピークの10月は343円と同2・3倍に高騰。直近では収束してきたが、年間では272円で同98%高となり、輸入量は1万3226トンと同26%減ったとされています。ちなみに、輸入ショウガの97%は中国産となっていますので、これがタイトルに記載させていただいたように国内で消費されているショウガは中国産が多くなっていて、かつ価格も上昇しています。
ちなみにですが、ショウガというと利便性が良い事からチューブ型のショウガを使っていることも多いかと思いますが、価格を抑えるためにかなりのメーカー様がチューブ型のショウガには中国産のショウガを使用しています。
中国産のショウガはどのように栽培されているの?
中国産のショウガは、一般的には温暖な気候が特徴の地域で栽培されています。中国の主要なショウガ生産地域は、山東、河北、河南、遼寧など4つの省が主な産地です。これらの地域では、年間を通じて比較的温暖な気候があり、湿度の高い条件が適しています。
ショウガの栽培は一般的に直播き(じきひき)や苗床からの植え付けが行われます。土壌は排水が良く、肥沃であることが好まれます。種まき後、ショウガの苗は頻繁に水やりされ、十分な日光を受けるようにします。また、除草や肥料の施肥などの作業が行われます。
ショウガは通常、地下茎である「根茎(こんけい)」を収穫対象として栽培されます。成長した根茎は、通常、植物が休眠期に入る秋から冬にかけて収穫されます。収穫後、根茎は洗浄され、必要に応じて選別や包装が行われます。
中国では、有機栽培や環境に配慮した栽培方法への移行も進んでいます。安全で品質の高いショウガの生産に寄与することが期待されていますが、直近の中国の農業にも問題点があります。災害などによる影響ももちろんのことだが、近年、世界中で起こっているインフレや為替影響で地代があがっており農家の経営を圧迫しています。同様に最低賃金があがっているために人件費も経営を圧迫することになっています。
こうしたことから、経費を削減するために良品のショウガ栽培に本当につながっているのだろうか?ということを不安に思う場合は国産のショウガについても知識が必要となりますよね。国産のショウガについて次の項でご紹介していきます。
ショウガの国内生産ランキング
ショウガの生産量1位は高知県の19,900tで、シェアでは41.0%となっています。2位は熊本県で10.8%、3位は千葉県で10.4%のシェアとなっています。令和3年のデータですと合計48,500tの国内生産がありますが、この3県だけで日本の生姜生産量の約60%を占めていることになります。先ほど中国産のショウガについても暖かいエリアが生産盛んでしたが、ショウガは熱帯アジアが原産とも言われ、九州地方など、温かい県で栽培が行われています。
国内産のショウガの品種は土佐一、八郎、新八郎が多く扱われていますが、土佐一が最も流通しており、高知県をはじめ、塊茎が大きく、分茎力の高い品種を育成したものです。現在の国内産のショウガでは、この土佐一からの突然品種などを育成したものが多く、現在では、ハウス生姜も含め国内ショウガのシェアのほとんどが土佐一生姜です。
10月~11月に収穫したあと定温・定湿の貯蔵庫で保存し、一年間を通じて出荷するため、「囲ショウガ」とも呼ばれています。繊維が少なく、しっかりとした食感とまろやかな味わいが特長です。すりおろした時の香りの強さが薬味として評価が高いショウガです。
ショウガは健康に良いの?
ショウガが入っている!と聞くと健康に良いイメージがありますが、果たして本当のところはどうなんでしょうか?
ショウガは古くから食品や薬として使用されてきた根菜であり、その健康への利点は数多く知られています。ショウガには、ジンゲロールやショウガオールなどの生理活性成分が豊富に含まれており、これらの成分が健康に与える影響は驚くべきものです。
まず、ショウガには抗炎症作用があります。ジンゲロールやショウガオールは、炎症を引き起こす物質の生成を抑制することで、関節炎やその他の炎症性疾患の症状を緩和することが示されています。また、ショウガには消化を助ける効果もあります。消化酵素の活性を促進し、胃腸の不快感や胃もたれを緩和することが報告されています。
さらに、ショウガは免疫システムをサポートする役割も果たします。ショウガに含まれる抗酸化物質は、体内の活性酸素種を除去し、細胞へのダメージを軽減することで、免疫機能を強化します。これにより、風邪やインフルエンザなどの感染症から身を守る助けとなります。
また、ショウガには血糖値を調整する効果もあります。研究によると、ショウガはインスリンの分泌を促進し、血糖値の上昇を抑制することが示されています。そのため、糖尿病患者や血糖値が気になる人にとって、ショウガは有益な食材と言えます。
さらに、ショウガには消化管の健康を促進する効果もあります。ショウガは、腸内細菌のバランスを整え、消化管内の有害な細菌の繁殖を抑制することで、便秘や下痢などの消化器系のトラブルを改善します。
総括すると、ショウガは抗炎症、消化促進、免疫強化、血糖値調整、消化管の健康促進など、多岐にわたる健康効果を持つ食材です。日常の食事に取り入れることで、健康維持や疾病予防に役立つことが期待されます。
このように、ショウガは食品としてだけでなく、健康への効果も期待される優れた栄養素であることがわかります。
今回は現在価格高騰しているショウガについてご紹介しました。弊社アジアインタートレードでは、全国100以上の卸値を検索して比較することで、価格が安く、より店舗に近い卸先からの配送することが可能で、新鮮な野菜が手に入ります。低価格と新鮮を両立した食材を仕入れるお手伝いを行っておりますので、お役に立てる情報があるかと思います。ぜひご覧いただければ幸いです。
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