2023年2月凍害の影響のある野菜や産地とは?

1月末の記録的な寒波の影響で野菜の価格が徐々に上がってきています。単純に育てている野菜に霜が着いたり雪が積もってしまって生育不足、低温で枯れてしまう、雪の重みで折れてしまうなどといったこともあります。また、大雪になることでハウス栽培をしている施設が壊れてしまうこともあります。今回は冬の時期の寒波による影響が多い野菜や産地、価格上昇時の対策についてご紹介しています。

 

凍害の影響ってどんなもの?

例えば、今の時期に鍋に欠かせない白菜やレタス、ほうれん草などの葉物野菜が10~30円程度値上がりしていました。今のところ供給不足で品切れになる野菜はないニュースですが、今後の動きに注目しています。

一般に-2℃以下になると葉物野菜には凍害が発生すると言われています。野菜の凍結が何度も起きてしまうと、細胞組織が破壊され、栄養や水分が行き渡らなくなるので衰弱して腐ってしまうことがあります。 

凍害防止のために、野菜に不織布をかけたり保温をすることで、農家さ

ん方も対策を取ります。凍害の野菜は外観上は異常が認められませんが、外葉を2~3枚はぐと内部に黒い斑点が発生していることがあり、農家さんにとっては農作物に甚大な被害となります。

また、野菜は冬に向かって体を凍りにくくするため、自らさまざまな対策をしています。そのひとつとして、細胞の中の水が凍結しにくいように、体内の水分含量を減らし、糖の含量を高めます。体内に不凍液を巡らすように、凍結から身を守るのです。大根や白菜といった代表的な冬野菜が甘みを感じるのはこのためと言われています。

しかし、今年のように連日氷点下になると農家さんの対策や野菜の仕組み以上に環境が厳しいため、野菜が枯れてしまいます。 

キャベツ、レタスの産地

特にニュースで若干の値上げが報道され始めているキャベツは、一年中出荷されていますが、北関東地域で冬期に栽培されている冬どりキャベツは、栽培年次によっては、厳寒期に低温による凍害の発生で生産量の減少や品質の低下をまねくことがあります。愛知県の東三河地域、神奈川県の三浦地域、千葉県の銚子地域といった産地で冬シーズンのキャベツの大部分を賄っているため、これらの地域で積雪、凍害があると野菜価格が上昇します。

レタスについては香川県・兵庫県(淡路島)、そして静岡県で冬シーズンの産地となっており、こちらも同様になります。

 

野菜価格上昇への対策

以上のような凍害での野菜自体への被害だけでなく、雪で物流が止まった影響での供給不足での価格上昇も発生することがあります。このような野菜価格上昇時の備えについては以下となります。

①カット野菜の利用

カット野菜はレタスやキャベツ、玉ねぎ、人参など様々な野菜が使われているので値段は安定しやすいです。通常の野菜よりは安く仕入れることができます。

②B級野菜の利用

正規の野菜は値段が高くなってしまうものも、B級であれば形や大きさが違うだけで美味しい野菜を安く提供することができます。切ったり、刻んだりする料理には適しています。 

③業務用野菜卸の利用

スーパーなどで仕入れたら値段は高くなってしまいますが、業務用で大量に仕入れれば値段を抑えることができます。ただし、大量に仕入れるので使い切らなればならないので注意が必要です。

 

以上、積雪や凍害で野菜の価格が高騰する理由をご紹介致しました。飲食店にとって安定供給と適正価格での調達は生命線とも言えます。弊社アジアインタートレードでは、全国100以上の中央卸売市場から最安値を比較して、最寄から仕入れることができるお手伝いをしております。野菜の価格高騰のような厳しい環境でも、お役に立てる情報があるかと思いますので、ぜひご覧いただければ幸いです。