飲食店の仕入れを行う際に、より良質で安価を目指して野菜を卸売市場へ出向いて仕入れを行っている方もいらっしゃると思います。市場での野菜の仕入れというと、活気のあるセリ取引をしているイメージを持つと思いますが、それは昔の市場の姿です。現在は「相対取引」が主な売買になっていて、セリ取引は減少しています。今後市場での野菜調達をしてみようかな?野菜の市場の仕組みはどうなっているのかな?そんな方の参考になるようにご紹介致します。
卸売市場の取引方法
卸売市場では、セリ・相対取引が行われていて、相対取引の中には、卸売業者と仲卸業者又は売買参加者との間であらかじめ契約にされた予約相対取引があります。セリと相対取引の違いは以下になります。
●セリ
現物を見て、公開の下に卸売業者と複数の買手との間で行われる取引。最高値を申し出た買手との間で取引が成立。数量と価格は落札した時点で決定。いわゆるオークション形式で販売するようなイメージです。
●相対取引
卸売業者と買手が一対一で個別に行う取引。事前の交渉は行われるが、数量と価格は当日に決定することが多い。
昔は、野菜を市場で仕入れるというとセリ取引がメインだったのですが、現在の青果市場においては、相対取引が市場で行われる取引の約9割を占めていると言われています。
なぜ相対取引が増えているか?
現在の市場の取引が、セリではなくの相対取引が増えている特徴は、事前注文取引が増えているためです。
事前注文取引とは、野菜を調達したい人が卸売担当者に前日までに引き取りを希望する野菜、数量、品質などを事前注文して、確保しておき、当日に商品の引き取りを行うことです。特に、飲食店などの場合は絶対に必要な野菜、数量、予算についてはある程度事前に決まっているはずですので、事前注文取引ができるとメリットです。
特に、最大のメリットとしては、野菜を取り置きして確保してもらうので、引き取りの時間も融通が利く点になります。
相対取引は、事前注文取引と当日取引に分かれますが、当日取引の場合は市場での調達の早い者勝ちになります。また、必要な分量を確保していないため欲しい野菜が手に入らない、もしくは欲しい量が手に入らない場合があります。このような理由で、現在の市場はセリではなく事前注文によって行われているので市場が始まるより前の段階でほぼ取引が終わっているとも言えます。
安価で品質の高い野菜の調達は卸売担当者がカギ
野菜の事前注文については、農家や生産地から卸売市場へ入ってくる野菜の入荷量がしっかりあれば問題ないですが、注文を受けている野菜の量よりも入荷が少なかったり、品質にバラつきがあったりすると問題が起こります。
なぜかと言いますと、野菜は天候気温が入荷量や価格に大きく影響を与えますので事前注文を必ず確約できるわけではないからです。
ここで注意が必要なのが、卸売担当者の裁量で、どの購入者へ優先して野菜を供給するかが決まります。また、価格についても購入者と交渉の余地があるといえども、卸売担当者の裁量が大きいので、安価で品質の高い野菜を欲しい分調達するというのは卸売担当者との人間関係構築が最も重要と言えます。
卸売担当者も、正直なところ、入荷量が多くてさばかなくてはいけないこともありますので、ギブアンドテイクの関係を作っていくことで良好な野菜卸売市場での仕入れにつながるのではないでしょうか。
今回は普段は知る機会の少ない野菜卸売市場の仕組みの一部をご紹介しました。市場で良質で安価な野菜を調達したいと思っても、知識がなくて不安な方にオススメの方法があります。例えば、弊社アジアインタートレードでは、全国100以上の卸値を検索して比較することで、価格が安く、より店舗に近い卸先からの配送することが可能で、新鮮な野菜が手に入ります。低価格と新鮮を両立した食材を仕入れるお手伝いを行っておりますので、お役に立てる情報があるかと思います。ぜひご覧いただければ幸いです。
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