植物肉は日本人に受け入れられるか?

ベジタリアンやビーガンでといった健康ブームから「ビヨンドミート」という企業が開発した植物肉が人気を博していて、日本にも植物肉の商品がどんどん登場しているのはご存知でしょうか?健康志向だけの需要ではなく、環境負荷を低減していこうという声は高まっていて、例えばビヨンドミートですと、健康面は、エンドウ豆のタンパク質に熱や圧力をかけることで、タンパク質の配列を動物性のものに近づけているのでコレステロールが含まれていません。植物性の油や、ミネラルなどを加えることによって牛肉や豚肉のような味と食感を作り出しているので、体に優しく肉の味も楽しめるのがポイントです。さらに環境面では、牛肉に比較して、生産の際に水が99%、使用する土地は93%、温室効果ガスも90%、全体のエネルギーも46%少なくて済みます。今回は、話題の植物肉についてご紹介したいと思います。

 

なぜ植物肉が広がっているのか

SDGsという言葉を聞いたことはないでしょうか?Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標になります。実は、畜産業はこのSDGsの観点から深刻な環境問題の上位となっています。今後の人口増加による食肉の消費量の拡大で、肉を生産するために必要な飼料である穀物や水が膨大になり、飼料を栽培するための農地の拡大、森林伐採や、ウシのゲップによるメタンガスの排出は、気候変動の原因にもなっています。こうしたことを背景に、近年は気候変動対策を訴える立場から、肉食を減らして豆類などからタンパク質を取ろうという動きが、ベジタリアンやヴィーガン、植物肉の開発が広がっている背景になります。先ほど、名前を挙げたビヨンドミートはアメリカの企業になりますが、牛肉の消費量が最も多いのはアメリカになりますので、この環境改善への動きもアメリカでは日本よりも盛んになっています。

 

植物肉は日本でも食べられるのか

植物肉を含む、代替肉の世界での市場規模は2017年度4538億円でしたが、2020年には1兆1885億円と急速に拡大しています。一方で、日本の代替肉市場規模は2020年で346億円。まだまだ、世界の動きと比較すると日本人は肉食中心の食生活でないこともあり市場規模は小さいですが、植物肉である大豆ミートを扱ったメニューが飲食店やファストフード店、最近ではコンビニでも目にするようになってきています。現在購入できる植物肉を一部ご紹介します。

 

・日本ハム NatuMeat

・丸大食品 大豆ライフ

・伊藤ハム まるでお肉!

・大塚食品 ゼロミート

・ケンコー やさいと大豆ミート

 

誰もが聞いたことのある日本大手食品メーカーでも植物肉の商品化はどんどん進んでいて上記のメーカーの商品は実際に購入することができます。その他にも、スタートアップ企業が様々な植物肉の商品を開発、販売を手掛けているのでSNSなどでも目にしますし、成城石井やコストコ、イオンでも植物肉コーナーがある店舗がありますので本当に増えていますよね。

 

今回はいつもとちがった視点から飲食業界の情報を紹介してみました。健康面、環境面の両方にとってメリットがありますので、外食産業に植物肉が導入される日もそう遠くないかもしれません。実際にすでに日本でもバーガーキングでは植物肉の商品がありますし、ハンバーガーショップに、植物肉をつかった商品がたくさん並ぶようになる時代が来るのかもしれませんね。今後も未来の飲食業界の情報をどんどん紹介していきますので、先取りしていきましょう。