福島県の野菜は食べても大丈夫なの?

東日本大震災、福島第一原子力発電所の事故から10年が経過しました。福島県産の野菜も安全と広く認知されるようになってきていますが、放射性物質の土や農産物への影響が気になったり、なんとなく福島県産の野菜を避けている方はいらっしゃるのではないでしょうか。農林水産省や内閣府、首相官邸からしっかりと公式に安全性については発信されていますので、ご紹介していきます。

 

福島県の野菜が安全なポイント

●農産物の検査体制

福島県では農産物はサンプリング検査が行われており、疑いが出た場合はさらに精密な検査が行われています。内閣府の食品安全委員会が定めた基準値を上回った場合は、市場に流通させません。基準については、セシウムなら一般食品で1キロあたり100ベクレル。アメリカの基準は1200ベクレル、EUの基準は1250ベクレルなので、世界的に比較しても圧倒的に厳しい基準値が定められています。基準の100ベクレルについて一例を挙げますと、食品の50%が汚染されていると仮定して、成人男性が摂取したとしても年間0.001ベクレルを超えないように設定されています。ここ数年では、基準値を上回ったものは、農家や畜産業者が生産しているもので発生はありませんし、一生かけて食べても汚染基準に達しないような厳しい基準値となっています。

●生産農地の除染作業

福島原発事故の後、県内の田畑では除染が行われていますので、セシウムが検出されることは今ではほとんどありません。生産地も安全な場所でしか農作物は作られていない状態になっていて、検査状況は厚生労働省や各自治体ホームページで公開までされています。生産地がしっかり明記されて、市場にでている福島県産の米や野菜に関しては、通常の野菜よりも安全といえるくらい厳しい検査基準をクリアしていると言うこともできるくらい安全です。

 

福島県の野菜への印象

赤字が福島県の野菜への印象グラフになります。消費者庁が2021年2月に発表した「第14回風評被害に関する消費者意識実態調査」(全国の5176人がインターネットで回答)の調査を実施したところ、「福島県の野菜の購入は躊躇う」と答えた方は10年前は19.4%でしたが、直近では8.1%になっています。しかし、まだまだ1割近く福島県の野菜の購入を避けている方がいらっしゃるという事実もあります。そのような、まだ安全性を信じられない方にぜひ確認していただきたい情報が、2018年には日本とEUの間で経済連携協定(EPA)の署名が行われていることです。福島の食品に対して、しっかりと名指しでの言及がされて安全性を認めた上での輸入規制解除になっています。福島県産品は、国内では今も苦戦を続けてはいますが、桃や米、梨などを中心とした農作物の輸出量は、実は震災前の量をすでに超えています。たとえば、福島の桃は現地での好調な売れ行きを受け、近年は毎年輸出量を大規模に拡大していることがわかります。このような豊かな福島県の農産物の魅力をもう少しご紹介していきます。

 

福島県はブランド野菜が豊富

福島県郡山市が誇る「郡山ブランド野菜」。豊かな自然に囲まれた地形と、恵まれた綺麗な水と空気が高品質な農産物を育んでいます。ミネラル豊富で保肥力の高い土地で作られた米は、特に質・量共に日本トップクラス。日本穀物検定協会の米の食味ランキングでは、福島県から全国最多となる4銘柄が最高ランク「特A」を獲得した実績があります。この恵まれた自然環境から誕生し、風評被害にも負けずに地元の農家によって立ち上げられたのが「郡山ブランド野菜」です。一部になりますが、ちょうど今の季節に旬となるものをご紹介致します。

 

●グリーンスイート

つややかな緑色で、人気の茶豆にも負けないほどの、甘みと香りの高さが特長。収穫間際、畑では甘い香りが漂います。人気のあまり真っ先に店頭から消えてしまうことから、「郡山ブランド野菜」の第1号に認定されました。味にこだわった郡山の野菜作りのきっかけとなった枝豆です。

 

●万吉どん

抗酸化性に優れ、動脈硬化や糖尿病の予防に効果が期待できる成分「ケルセチン」が従来の品種より豊富。糖度も高く、加熱調理向きのタマネギです。ローストすると煮詰めたように甘みが凝縮され、驚きのおいしさに。期待高まる機能性野菜の一種です。

 

●とうみぎ丸

生でも食べられるトウモロコシで、焼いても茹でても甘みが際立ち、食べた瞬間口いっぱいに甘みが広がります。

 

●ささげっ子

甘みと、インゲンらしい風味、サクッコリッとした小気味良い食感を合わせ持ち、料理の脇役から主役にもなれるインゲン。サイズが小ぶりであるため、フレンチなどのお皿にも美しく映え、使いやすいと全国から人気を集めています。

 

●佐助なす

生で食べられるほどのやわらかさと甘さをもつ衝撃のナス。加熱するととろけてしまう程みずみずしく、アクも少ないので、皮をむかずにそのままサラダや漬物にするのがおすすめです。フルーティーでさわやかな甘みが特徴です。

 

●おんでんかぼちゃ

ホクホク系で、栗のようなおいしさ。1株から数個 のかぼちゃを収穫する一般的な栽培に比べ、収穫する実を1つだけ残し残りは剪定する「1株1果取り」という珍しい手法で栽培。収量は少なくなりますが、その分栄養を1つに集中させるため、旨みが凝縮されます。

 

●ハイカラリッくん

収穫時期は、ネギ栽培で非常に難しいとされる夏。やわらかく、ネギ特有の香りを保ちつつも、加熱するとトロリとした甘みが絶品。白根の部分はもちろん、葉の部分こそ食べて頂きたい一品です。煮る、焼く、薬味の他にも、浅漬けなど、実に多様な料理としてお楽しみいただけます。

 

●あこや姫

生で食べてみると、みずみずしく柔らかい食感と甘さに驚くカブです。純白でふっくらとした形状が美しく、葉もコンパクトでおいしく食べられます。皮付きで表面を焼くと、外は香ばしく中はトロッとした食感を楽しめます。

 

●天のつぶ

「特A」に次ぐ「A」評価ではあるものの、特徴的なお米です。粒が大きく硬さもしっかりしているため、粒同士の間に空気が入りやすく、ほっこりした心地良い食感が楽しめます。米の旨味も感じさせつつ、決して主張しすぎない特性から、福島県産「天のつぶ」は、海外では「究極の寿司米」として好評です。やや淡泊で口の中でほぐれるような上品な口あたりを感じさせつつも、ほのかなもっちり感と強めの旨味が噛みしめる程にじみ出てくる・こうした特性は寿司米、特にサーモンなど海外で人気の鮨ネタと合わせるには理想的で、食材の強い旨味をしっかりと引き立ててくれます。

 

いかがでしょうか。福島県の野菜の安全性、魅力について伝わりましたでしょうか。弊社アジアインタートレードでは全国100以上の卸売市場から最安値を探して調達をすることをお手伝いしています。もちろん今回ご紹介した福島県の野菜もお手伝いをすることができますのでぜひこちらの業務用野菜卸のページも一緒にご確認いただけると幸いです。