野菜の保存期間について

野菜は私たちが日々目にしている生産日や消費期限が明記されていませんので、どのくらいし保存できるのか、どのくらいで食べきれば良いのかわかりにくいですよね。野菜ごとにちがいますが、どのようにして保存すれば少しでも美味しい状態で野菜を食べることができるかヒントになると思いますので、今回は野菜の保存期間についてをご紹介していきます。

 

なぜ野菜は劣化するのか

野菜は収穫された後も呼吸を続けています。収穫の際に根を切られた葉物やイモは、栄養や水分の補給を補給する道を絶たれているので、野菜の中に蓄えている成分を分解しながら呼吸をしています。人間と同じように酸素を吸って二酸化炭素を出す際に、同時に呼吸熱を出しているので、野菜をビニール袋に入れていると水滴がついたりしますよね。このようにして、野菜の中に蓄えている成分である糖などの栄養に関係する成分をどんどん消耗するため、品質や鮮度の低下を招くことになります。野菜が呼吸するときにエネルギーを消費しながら水分も抜けていってしまうので、どんどんしおれていってしまいます。

 

野菜の上手な保存方法

多くの野菜は水分が90%近くあるので、そのうち5%を失っただけでも、見た目に表れてしおれたり、シワが出たり、ツヤがなくなったり劣化が始まります。野菜を美味しく保存するためには、野菜の呼吸を抑えることと、水分の蒸発を防ぐこと、以上の2つが重要になります。

 

●適温で管理する

呼吸を抑えるための方法は、収穫した野菜を冷却することです。温度が10℃下がると、野菜の呼吸は半分以下になります。野菜を長期貯蔵する場合は、冷蔵室の0~5℃の低温に保ったほうがよいものと、野菜室10~15℃が適温のものがあります。代表的なものは大根・キャベツ・ニンジンは冷蔵室、ピーマン・トマト・キュウリなどは野菜室が適していると言われています。

 

●水分の蒸発を防ぐ

呼吸を抑えるもう1つの方法は、空気を適度に通す薄めのポリ袋や新聞紙に野菜を包むことです。袋の中が適度な低酸素、高炭酸ガスになり、野菜は窒息はしないけれども呼吸がよく抑えられて、ちょうど野菜が冬眠したような状態で消耗を防ぐことができます。水分の蒸発も抑えることが同時に出来ますのでオススメの保存方法になります。

 

●保存する場所、向き

よくタマネギが網袋に入れられて販売されているのを見かけると思いますが、タマネギに関しては乾燥状態が保存に向いていて、網袋に入れて吊しておくのが理想です。また、保存の際の野菜の向きは、畑にあった状態(立ち姿)で保存するほうが理想の野菜もあります。特に、葉物類、アスパラやトウモロコシは寝かせるよりも立たせて保存することが理想です。これ以外にもジャガイモのように、明るい場所でなく暗い場所のほうが保存に向いている野菜もあります。

 

各野菜の保存期間

保存方法でご紹介したとおり、保存の温度・場所などそれぞれ野菜にあったものがあるため保存期間もバラバラになります。一例を少しご紹介しますので参考になれば幸いです。

 

●キャベツ、レタス

冷蔵室で1週間

キャベツやレタスは芯から水分が抜けるので、水分の蒸発を防ぐために、全体をキッチンペーパーや新聞紙で包み、ポリ袋に入れるかラップをかけるかして保存します。芯をくり抜いて保存するとさらに良いです。

 

●白菜

冷蔵室で1週間

購入時にラップされている場合は外して、新聞紙や紙袋で包み、芯を下にして立てておきます。

 

●トマト

野菜室で1週間

キッチンペーパーに包み、ヘタを下にして、ポリ袋に入れます。ヘタを下にするとトマトの先端が潰れず綺麗に保存するのに適しています。

 

●じゃがいも

野菜室で3か月

基本は常温で保存できますが、夏など室温が高くなる場合や、更に日持ちさせたい時は野菜室が適しています。新聞紙に包んだり、紙袋に入れたりして、水分の蒸発を防いでいきましょう。

 

野菜の保存については以前にもご紹介したことがありますのでこちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

目安として保存期間・方法をご紹介しましたが、やはり見た目が悪くなると食べるのを躊躇してしまうと思います。特に、葉物や緑黄色野菜は色味の劣化がわかりやすいので、1週間程度が日持ちの目安となります。食材を無駄にしないためにも、計画的な調達と保存をしていきましょう。弊社「アジアインタートレード」では、業務用野菜卸を活用した調達のお手伝いの取組を行っております。手軽に新鮮な野菜を調達したい方へお役に立てるかと思いますので、一度ご覧いただければ幸いです。