冷凍野菜と生鮮野菜のちがい

保存が便利で、野菜の旬にかかわらず調達できる冷凍野菜。洗う、切る、茹でるといった調理の手間もはぶけて下ごしらえの手間なく使えるので、ご家庭の料理から飲食店の業務用まで重宝されている強い味方です。身の回りで多く利用されていますが、生鮮野菜とのちがいは詳しくご存知ない方も多いのではないでしょうか?今回は冷凍野菜と生鮮野菜のちがいについてご紹介しています。

 

栄養面のちがい

市販の冷凍野菜は、旬の時期に収穫した野菜にブランチングという下処理をほどこしたあと、急速冷凍することで作られています。ブランチングとは下ゆでのことになりますが、酵素の働きを抑制して変色を防ぎ、栄養価を失いにくくする効果があります。このように冷凍野菜は収穫して時間の経過が少ないうちに急速凍結されるので、新鮮な野菜に含まれるビタミンやミネラルなどの栄養素が、生鮮野菜よりも残りやすいと言われています。また、冷凍で水分量が減るため、栄養素が凝縮されるので、ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンは、同じ野菜の質量なら生鮮野菜よりも含有量が多いこともあります。

 

一方で、生鮮野菜の栄養は生物ですから鮮度が命。収穫後、時間がたてばたつほど失われてしまいます。例えば、ほうれん草のビタミンCを例にとると、収穫後3日目の残存率は、常温保存の場合、56%と半分近く失われてしまいます。ちなみに冷凍野菜のほうれん草の場合はビタミンCが50%程度になるのは1年以上保存した場合という実験結果が報告されているので、購入・調達してすぐに食べないのであれば生鮮野菜よりも冷凍野菜のほうが栄養面でもメリットがあるかもしれないことがわかります。

 

価格のちがい

冷凍野菜は1年で最もおいしい旬の時季に収穫して加工。その野菜のおいしさを保ったまま、長期保存としています。安定した収穫と供給を行うために大規模な専用農場で栽培されていますので、価格が安定しています。生鮮野菜の場合は、天候などの要因で不作になれば価格が高騰することがあります。このようなケースなら冷凍野菜が割安になります。また、調達価格だけではなく、また、冷凍野菜は下処理済みですので野菜をカットした際のゴミが出ず、使いたいだけ使えて便利です。ロスや無駄が出にくいというコスト面でも飲食店など経営の場合は非常にメリットになります。

 

食感のちがい

保存の便利さや、栄養面でのメリットのある冷凍野菜ですが唯一と言ってもいいデメリットもあります。それは「食感」です。冷凍野菜は最初にブランチング加工のため、軽く茹でているので歯ごたえがないものが多く、獲れたての生鮮野菜には負けてしまいます。最近は食感を損なわないため野菜の細胞を壊さないように、急速冷凍の加工技術も上がっていますのでどんどん美味しくなっていますので今後は食感も向上した冷凍野菜は登場するでしょうが、対処法としては炒めたり、和えたり、他の食品と一緒に調理することで上手に使うことがオススメになります。

 

冷凍野菜の上手な使い方

非常にメリットの多い冷凍野菜の賞味期限は1年程度のものが多くなっていますが、ここに注意点があります。開封後は鮮度が落ちやすくなりますので、賞味期限が1年持つと表示されていても品質は低下してしまいます。特に、1度溶けかけて再度冷凍した時のように霜がついた場合などは品質低下しやすくなります。冷凍野菜は、保存料や添加物を使用されていません。-18度以下の低温で保存すると腐敗や食中毒の原因となる細菌が活動できないため、保存料やそれに変わる食品添加物を使用する必要がないからです。ここがポイントなのですが、冷凍庫の開閉回数が多く、庫内の温度が上がってしまうと適温で冷凍保存されないので劣化しやすくなってしまいます。上手に美味しく食べるためには、保存に便利な冷凍野菜といえども、開封後は早めに食べきってしまうことが大切になります。

 

今回は便利で身近な存在の冷凍野菜と生鮮野菜のちがいについてご紹介致しました。ご存知なかった方はぜひ今回の事例を参考にして美味しい野菜の調達と調理してみくてださいね。弊社アジアインタートレードでも便利な野菜卸を利用した調達について取組を行っております。お手伝いできることがあると思いますのでぜひご覧いただければ幸いです。