【京野菜】味・見た目ともに一味ちがうブランド力とは?

京野菜として有名な万願寺唐辛子をご存知でしょうか?その名の通り、京都府舞鶴市の万願寺地区で生まれ、京都府の北部でしか生産されていない希少なブランド野菜になります。なんと農林水産省が認定する登録産品にも指定されている、世界に誇る野菜となっています。今回はこの万願寺唐辛子に代表される「京野菜の魅力」についてご紹介していきます。少しいつもと違った野菜を扱ってみたいとお考えの方、ぜひ京野菜を加えてみてはいかがでしょうか。

 

京野菜の選定基準

京都で生産されている野菜は全て京野菜と呼ぶかとそうではなく、京野菜には京都府が定める「京の伝統野菜」と「ブランド京野菜」の2つ種類があります。長い歴史のある京都で生まれただけに様々な取り組みをしています。

 

●京の伝統野菜

①京都府内全域で生産されたもの。

②明治時代以前から栽培されていたもの。

③たけのこを含むが、キノコ、シダ類は除くもの。

これらを満たしたものが「京の伝統野菜」として選定されています。現在は37種類認定されていますがその内2種類は絶滅していまったと言われています。

 

●ブランド京野菜

①安心・安全と環境に配慮

②京都こだわり生産認証システムで生産

③品質・規格・生産地を厳選したもの

ブランド京野菜は公益社団法人京のふるさと産品協会が以上の基準で選定しています。現在の認定数は31種類で、1988年に万願寺唐辛子が認定されたのが第一号です

 

以上のように様々な考え方で認定されていますが、生産や産地にこだわりの詰まった野菜だとお分かりいただけるのではないでしょうか。では、何故このようにこだわりが生まれてきたのか、その歴史にも少し触れてみましょう。

 

京野菜の歴史

京都は古くから都がありましたが、海から遠く、海産物の入手が困難で食生活の中心は野菜になっていました。そして、都に献上するために全国から多種多様な野菜が集められてきました。集められた野菜が京都の気候風土といった環境と、農家の技術で改良されてきたのが京野菜の始まりと言われています。このようにして始まった京野菜の中でも京の伝統野菜、ブランド京野菜の両方に認定されている、特に人気があるものをご紹介していきましょう。

 

賀茂茄子

夏野菜の定番、茄子は京都で多く生産されています。中でも賀茂茄子は「茄子の女王」とも呼ばれていて人気の高さが伺えます。その他にも京山科茄子、もぎなす、千両茄子と茄子の栽培は盛んで、漬物や煮物など京都の料理には頻出で茄子が使用されています。

 

鹿ケ谷かぼちゃ

大きなひょうたん型が特徴ですが、江戸時代に青森県から持ち込まれたかぼちゃが京都で栽培されるうちに形を変えて現在のひょうたん型になったと言われています。京都市左京区鹿ケ谷の安楽寺で、毎年7月25日に無病息災を祈願する「かぼちゃ供養」が行われている際に使用されているのが鹿ケ谷かぼちゃです。普通のかぼちゃに比べてビタミンや食物繊維、成人病予防に効果を発揮するリノレン酸などが多く含まれています。

 

九条ねぎ

九条ねぎは日本の葉ねぎ(青葱)の代表品種であり、関東には根深ねぎ(白葱)があります。古くから、京都市南区の九条辺りで栽培されていたことから九条ねぎの由来となったと言われています。栄養たっぷりなのはもちろん、春までは風味柔らか、夏以降は辛みも感じられる四季のおいしさの変化も人気の1つになっています。

 

聖護院大根

聖護院大根は丸い形が特徴となっていますが、愛知県の長大根が京都に持ち込まれて栽培しているうちに大根が丸くなり品種として固定されたという説があります。煮崩れしにくく甘くて苦味が少ないため、煮物や漬物で人気になっています。

 

まだまだたくさんありますので紹介しきれませんが、特に人気がある京野菜と、そのブランドの魅力について紹介させていただきました。希少な京野菜ということで決して安価ではありませんが、味・見た目・栄養価に優れた野菜になります。いつもと違う野菜の取り扱い、新しいメニューへ京野菜をぜひ検討してみてください。