新型コロナウイルスの予防から生まれた野菜の仕入れを行う新サービス

 

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、1都3県に2度目の緊急事態宣言が発出されるなど、飲食店にとっては大変厳しい状況となっています(2021年1月8日時点)。

 

飲食店を経営している事業者の中では、緊急事態宣言対象地域に入っていない地域であっても、自治体の時短要請に応じて営業時間の短縮など営業内容の縮小を行なっているお店も多くなっています。

 

このような状況に伴って、業務用野菜の仕入れの量が減っています。

 

農家にとっても、いままで取引先として一定量を業務用野菜として買ってもらえたのに、飲食店などの仕入れ量が減ると行き場を失って余ってしまいますので、野菜のロスを減らすためにも何らかの解決策が求められています。

 

そこで今回の記事では、新型コロナウイルス感染拡大の影響から誕生した、業務用野菜の仕入れの新たなサービスを紹介します。



コンビニが仕入れを行うサービス

 

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で余ってしまった業務用野菜を、コンビニが積極的に仕入れるというサービスが話題になっています。

 

業務用野菜の仕入れ手段として、県域を越えた移動自粛の影響で利用者が減っている高速バスを使用しており、乗客の激減で苦境にあえいでいる高速バス業界と連携し、経済活動の維持のためにコンビニが動いている点が注目を集めました。

 

行き場を失った業務用野菜を仕入れ、コンビニで通常よりも安い価格で販売しているので、飲食店をはじめ、一般の方の利用もできます。

 

最初に、ローソンが始めたサービスで人気を集めています。

 

今後、売り上げによってサービスの拡大がされるかが決まっていくので、これからの動向に注目したいサービスです。



漬物店が行う業務仕入れサービス

 

漬物店が業務で使用しない業務用野菜を一般の方向けに販売している、業務仕入れサービスが注目を集めています。

 

販売している価格が他の業者と比べても格安なので、安く業務用野菜を仕入れたいという小さい飲食店の方にもおすすめです。

 

新型コロナウイルスの感染拡大で大きな影響を受けている農家を支援するサービスであり、農家にも目を向けた意義のあるサービスとして人気があります。

 

業務用野菜が余ることも防げますし、農家の支援も行えるので注目が高いです。



業務用野菜卸と飲食店がタッグを組んだサービス

 

テイクアウトの料理と業務用野菜のセットを販売するという、業務用野菜の卸売業者と飲食店がタッグを組んだサービスがあります。

テイクアウトの料理は、飲食店がおすすめする調理済みの料理が並んでいて、調理する時間を節約できるので、忙しい主婦を助けてくれます。

 

さらに業務用野菜であれば新鮮な野菜が揃っているので、野菜を買いにスーパーに行く手間が減らせます。

 

スマホなどでの事前注文や事前決済を取り入れているので、新型コロナウイルスの感染防止対策もバッチリです。

 

業務用野菜の卸売業者にとっては、事前注文を受けることから最初から流通させる量が決まっているので、必要以上に仕入れて余ってしまうリスクが減るのがメリットです。

 

また、個人向け配送もしないので、配送コストの削減にもなります。



業務用野菜のセット販売

 

ドライブスルーで販売する「ドライブスルー八百屋」がコロナ後の業務用野菜卸として話題になりましたが、それ以外にも業務用野菜のセット販売を行う業者も多いです。

 

事前に予約注文を受け、必要な業務用野菜の分だけを用意できるので、需要に合わせた仕入れ量にすることで廃棄コストも軽減できるのが魅力です。



業務用野菜だけでなく、お肉やお米などの複数の食材が入っているセットもあるので、一般家庭からの引き合いも強いものがあります。

 

家族など利用したい人の人数に合わせて、セットの個数を変えられるのも利点です。

 

ドライブスルーの八百屋では、飲食店とタッグを組んで新しいサービスを拡大している場所もあります。

 

例えば串カツ田中をはじめとする飲食店が、このような取り組みに多く参加しています。

 

串カツ田中は仕入れ先を支援するサービスをはじめており、多くのメディアで取り上げられ話題になりました。



飲食店応援キャンペーンを開催している業者も

 

飲食店への業務用野菜の仕入れを行っている業者の中には、飲食店を応援するキャンペーンを開催している業者もあります。

 

具体的には、仕入れによる飲食店の経費を抑えれるよう、採算度外視の価格で業務用野菜を販売しています。

 

料理のコストが下がりメニューの提供価格を抑えられるので、店内での提供だけでなくデリバリーやテイクアウトも安く提供でき、飲食店にとって売上アップが期待できるサービスです。

 

緊急事態宣言の出ている時期には、テイクアウトに使いやすい業務用野菜を安い価格で販売している事業者が話題になりました。

 

他にも、普段からスーパーで仕入れられない産地の業務用野菜も多く取り寄せており、地方まで仕入れをする方の助けにもなりました。




新型コロナウイルスで安くなった業務用野菜はある?

 

新型コロナウイルスの影響で外食が減ったことから、業務用野菜の売れ行きが落ち込んでいるのですが、この状況をとらえて一般家庭向けに販売する目的で、一度に多くの量を仕入れる業者が増えています。

 

業務用野菜の1個あたりの価格が全体的に安くなったので、個人でも業務用野菜を買いやすくなっています。

 

旬の野菜はもちろん、大根やブロッコリー、キャベツなどの業務用野菜は、一般のスーパーの半額以下の価格で売られていることもあります。

 

逆に業務用野菜の大量仕入れにより農家の出荷が追いつかない地域では、1個あたりの価格が高くなっている傾向もみられます。

 

場合によっては2倍以上の価格になることもあるようです。

 

また、希少な業務用野菜の場合は、業者でも仕入れたい量を仕入れたいときに確保するのが難しいので、そこに家庭からの需要が大きくなると、価格が高騰しやすくなります。

 

冷凍業務用野菜の需要も増えている

 

新鮮な業務用野菜が人気を集めていますが、新型コロナウイルスの蔓延により、冷凍の業務用野菜の需要も増えています。

 

冷凍業務用野菜は、新鮮な野菜に比べて食感や鮮度は落ちます。

 

しかし新鮮な野菜よりも保存できる期限が長いことから、客足が読めない時期にも使いやすいので、小さい飲食店の利用者が多いです。

 

業務用野菜をカットした状態で冷凍しておけば、必要なときにすぐに調理に取りかかれるので飲食店にとっての手間もかなり省けます。

 

スムージーや鮮度が売りのメニューの場合は冷凍野菜は使いにくいですが、水分が出ても大丈夫なスープや油で炒める料理のメニューに使うのにとても便利です。

 

解凍した時に野菜の食感があまり関係しない料理であれば、新鮮な野菜を仕入れたあとに冷凍業務用野菜にしておくというのもおすすめです。




まとめ

 

今回の記事では、新型コロナウイルスがきっかけで始まった業務用野菜の仕入れに関する新しいサービスを紹介しました。

 

このような状況が続くと、産地に直接出向いて野菜の状態を確かめたり、たくさんの人があつまる市場で仕入れるのも難しいでしょう。

 

客足が遠のいてしまった飲食店では、いままでのような仕入れ方法では採算がとれない難しい状況がしばらく続くと思われますので、この記事で紹介したようなサービスはきっと役に立つのではないでしょうか。

 

もちろん飲食店だけでなく、小売店や一般家庭でも利用ができるサービスなので、一度試しに利用してみてください。