市場の傾向から飲食店の顧客の需要の高い野菜とは?

 

今回の記事では、飲食店の顧客から需要が高いとされる野菜を紹介します。

 

市場での取引の傾向から飲食店の方が仕入れる野菜の量を見ることで、需要の高い野菜が簡単に調べられます。

 

飲食店で野菜を仕入れる際には、需要の高い野菜を仕入れて顧客を増やす努力も可能です。

 

はじめて野菜卸から野菜を調達する場合は、需要の高い野菜をチェックしたうえで仕入れてみてください。



季節の野菜は需要が高い

 

日本は春夏秋冬、四季が楽しめる素晴らしい国です。

 

このため、それぞれの季節に応じて市場に多く出回る野菜の種類が変わります。

 

たとえば夏野菜という言葉がよく知られており、夏には夏野菜を中心としたメニューが飲食店でも人気です。

 

このように季節の野菜を中心にしたメニューは、基本的に顧客の需要が高いです。

 

旬の野菜は栄養価が高いだけでなく、価格も安く仕入れることが可能です。

 

このため、野菜卸の業界でも、旬の野菜の流通が多くなります。

 

例えば、秋はさつまいもやにんじん、夏はキュウリやトマトなどが手ごろな価格で多く出回りますので、飲食店側としても季節に合わせた野菜を仕入れるようにするのが基本です。

 

旬の野菜の時期には、お客さん側も旬の野菜を中心にしたメニューを頼みたくなるので、通常よりも少し仕入れの量を増やすという飲食店も多いです。



料理のレパートリーが多い「キャベツ」

 

キャベツは、炒め物や漬物あるいは揚げ物の付け合わせなど、幅広い料理のレパートリーに多く使えるので需要が高い野菜です。

 

また、キャベツの種類を変えることによって、一年を通じた仕入れ価格の変動が少なく抑えられるのも魅力です。

 

お好み焼きや野菜炒めをはじめ、野菜スープなどキャベツをメインにした料理も多いです。

 

メインの料理だけでなく、サラダやお通しにも使用できるので、多くの飲食店でキャベツを仕入れています。

 

さらにキャベツは農家にとっても栽培に必要な労働時間が短く、安く売っても利益の出る野菜として知られています。

 

農林水産省の農業経営統計調査によると、1,000平方メートルあたりのキャベツの所得は18万円と決して高くはないのですが、出荷までにかかる労働時間は90時間で時給で計算すると2,000円にもなります。

 

キャベツは安く出荷できて、飲食店は助かり農家も儲かる野菜なのです。

 

鍋にも漬物にも使い勝手のよい「白菜」

 

白菜は、鍋物には欠かせず漬物や煮物にも広く使われており、顧客の需要が高い野菜です。

 

旬は霜が降りる晩秋から冬にかけてで、この頃の白菜は甘味を蓄えたより美味しいものになるので、特に人気が高くなります。

 

主な産地は茨城から兵庫や関西、夏は長野の高原ですが、茨城県と長野県で日本の生産量の半分を賄っています。

 

大根やキャベツに次ぐ生産量があり、日本で最も消費されている野菜のひとつです。



女性にも人気が高い「トマト」

 

活性酸素を減らす作用が知られるリコピンなど栄養価が高く、食べやすい点からトマトは顧客に需要の高い野菜といえます。

 

サラダやスープ、カレー、スパゲッティなどの人気の料理では、トマトをベースにした味付けの人気が高いです。

 

大きさもさまざまで種類も豊富なので、家庭菜園でも人気が高い野菜です。

 

また、トマトは農家にとっても1度に作れる量が多い野菜なので、キャベツと同じく価格の変動がしにくいです。

 

ミニトマトは、サラダに添えたり、お弁当の隙間に入れたり、料理の彩りとして使ったりするなど、手軽に使えますし見た目にも美しいのでおすすめの野菜です。



甘味が美味しい「たまねぎ」

 

たまねぎは、刻んだりペースト状にすることで味のベースを支えるのに広く用いられる、年中通して人気の野菜です。

 

年中価格の変動が少なく、安いときは1個あたり20円以下で買える場合もありますし、家庭でも常温でも長持ちするので重宝します。

 

たまねぎのサラダやスープに入れる野菜として、さらにはハンバーグを作る際にひき肉と共に使われるなど、料理に使われることも多いのがたまねぎです。

 

刻んでじっくり炒めることで甘味がでるので、カレーやスープあるいは炒め物の味のベースとして使うこともできます。

 

野菜卸からの仕入れの量が多いのも特徴ですが、広く人気のある野菜なので、飲食店にとっては在庫が抱えにくいのも嬉しいです。



健康食品や美容食にも多く使われる「バジル」「パクチー」

 

近年、健康食品や美容食にも多く取り入れられているのがバジルやパクチーです。

 

香りが強いので苦手な方もいるのですが、レモンや鶏肉、トマトなどと組み合わせることで、さっぱりとした美味しいレシピが楽しめます。

 

バジルもパクチーも、健康志向の高い女性には人気がある食材なので、女性が多く出入りする飲食店にはおすすめ。

 

乾燥させて保管できるので、他の生野菜と比べても長期保存がしやすいのが特徴です。

 

最近では、バジルやパクチーをメインとした料理も多く、年々売上が伸びている野菜なので、メニューに加えてみてはいかがでしょうか。



使い勝手が良い「キュウリ」

 

お酒の出る飲食店では、お通しとして使用されることが多いキュウリ。

 

実は飲食店の顧客でも、仕入れの需要が高い野菜として知られています。

 

大量に仕入れても価格が高くなりすぎないこと、調理が簡単な点が魅力です。

 

薄切りにして漬物やサラダ、あるいは細切りにして冷やし中華に添えるなどの形で、しょっちゅう使用されます。

 

キュウリは生のままで食べられるので、そのまま細いスティック状にしたものもサラダのひとつとして出せるなど、飲食店側としても扱いやすい野菜の一種です。



味を支える「ネギ」

 

玉ねぎと同じく、多くの料理と合わせやすい万能性の高さが人気なのがネギ。

 

ネギは種類が多いので、季節に合わせネギの種類を選ぶと価格の変動を抑えられます。

 

フライパンで油をひいて焼くと甘味や香ばしい香りが出ますし、細かく刻んでそのままスープやお鍋に入れても美味しいので、男女問わず人気が高い野菜です。

 

焼き鳥に挟んでねぎまにしたり、豆腐の上に薬味としてのせるなど、ねぎの風味を楽しめる料理のバリエーションが多いのも需要が高い理由。

 

小さなネギは薬味ネギとして、お茶漬けや麺に添えることが可能なので、たくさん刻んで冷凍しておくと忙しいときはとても重宝します。



キャベツと同じく価格が変動しにくい「レタス」

 

キャベツと同じく、季節に合わせて種類を変えて仕入れることで価格が抑えられるのがレタスです。

 

サラダに使用することが多く、ダイエットや美容に関心が高い女性や健康志向の方に需要の高い野菜です。

 

レタスの産地では一度に多くの量が収穫できることもあり、1個あたりの単価が安いのも特徴のひとつです。

 

高原などの涼しい地域では朝と日中の温度差が大きく、質の良いレタスが多く生産されるので、そういった地域からであれば安く仕入れることが可能です。

 

キュウリやトマトなど、他の需要の高い野菜と組み合わせると、見た目にも美しい栄養価も高く美味しいサラダになります。



まとめ

 

今回は、飲食店で一年を通じて比較的需要の高い野菜を紹介しました。

 

野菜の仕入れ価格が安い場合でも、お客さんからの需要が低い野菜の場合は、飲食店の売上げが伸びにくくなってしまいます。

 

新型コロナウイルス感染症で飲食店の売上が厳しい状況にある昨今、余分な在庫が出てしまわないためにも、需要が高く売上が変動しにくい野菜を中心にメニューを考え、それに合わせた野菜を計画的に仕入れるようにしましょう。

 

これから野菜卸から野菜を仕入れて新しいメニューを考える飲食店の方は、ここでご紹介したような、一年を通じて需要の高い野菜から仕入れてみてはいかがでしょうか。