飲食店オーナー必見!流通している野菜だけがすべてではない理由

現在、世の中に流通している野菜の多くはF1種というのをご存じでしょうか。F1種は効率よく安定供給できるように規格に沿って改良された一代限りの品種です。F1種は大量生産に向いています。

これらの野菜で重視されているものは実は味ではありません。一概にいえるわけではありませんが、味がおいしいかどうかよりも、同じスピードで成長し、同じくらいの大きさと味に育つことを目指しています。

つまり、F1種の目指すべき場所とは美味しい野菜ではなく、誰の口にも普通にあう野菜を大量生産することにあるのです。これらは規定の段ボールがあるので、指定された個数がぴったりと入るように大きさを調整します。

近年では、健康を重視している方が多いために、農薬や化学肥料に対してシビアになっている方もいるでしょう。しかし、農薬は人件費の削減にもつながりますし、化学肥料は成長をはやめるために、普段よりはやく収穫できます。

確かに、これらは人体には悪影響です。野菜本来の味も損なわれるものですので、美味しい野菜をつくるということからはかなりずれています。ただ、効率よく作ることができて大量生産できるので本来より安く手に入るのです。

いっぽうF1種とは異なる固定種というものをご存じでしょうか。固定種とはできあがった野菜のなかから出来のいいものを選び、種をとり育てるということを繰り返すものになります。

つまり、野菜本来の味や個性を存分にひきたてた野菜ということになります。これらはどんなプロの農家が作っても味やサイズがばらばらになってしまうため、大量生産や安定供給には向きません。

安定供給ができないということは野菜そのものの価格も高騰してしまうために、飲食店も安く提供することができなくなってしまうのです。ただ、味を追い求めるのであれば固定種は重要ですので、味にこだわるオーナーは食材にとりいれてみるのもよいかもしれませんね。

固定種の野菜を実際に使っている飲食店は存在しており、成功モデルもあります。たとえば代々木にあるWE ARE THE FARMというお店があります。こちらの飲食店は千葉県に畑をもっており、店も繁盛しています。

自社の畑をもっているのは大事なことですが、成功ポイントとしては食に関心のある方々が多く集まるエリアをSNSなどの情報から選んだということです。顧客のターゲットをどこにしぼるか、それがはっきりできていれば、固定種の野菜を使った飲食店でも成功をおさめるかもしれません。